12 ユニオン師匠
お屋敷を出る前に、自分の部屋に寄って、お金になる物を持ちだしておいた良かった。
馬車をのりついて、一週間くらいでなんとか、隣国にたどり着くことができた。
王都に向かった私達は、例のペンダントを見せる。
すると、何の話も聞かずに要人に会わせてもらえることになった。
このペンダントの持ち主はけっこうすごい人らしい。この品物を見せる子供がきたら、すぐにとりついてほしいと言われていたようだ。
対応に出た人達はずいぶんと慌てていた。
私達は、いやシンフォ君は運が良い。
そんなシンフォ君と友達になれて良かった。
「シンフォ君はどうしてこんなにも私に親切にしてくれるの?」
「だから、友達を助けるのに理由なんて要らないっていっただろ?」
「そうだけど」
シンフォ君は良い人すぎる。
だから、巻き込んでしまった事に少し罪悪感を感じていた。
しばらくした後、ペンダントによって引き合わされたのは、ユニオンという人物だった。
大魔法使いと呼ばれる人で、色々な有名人に魔法を教えた人らしい。
二十代後半くらいのお兄さんだった。
気さくな態度で出迎えてくれたその人は、私の話を聞いて「なるほど」と言った。
数十年前にも私がうまれそだった故郷で、邪神の巫女が誕生していたらしい。
それで、何かあった時のために墓守であるシンフォ君に、ペンダントを託したのだと説明した。
「シンフォ君は、墓守だったの?」
「おう、でも他の人に言うと馬鹿にされるから」
「私は馬鹿にしないわ。そんな人たちの事気にする必要なんてない」
とにかく、私達は邪神について色々な事を教えてもらった
そして、邪神に奪われた大切なものを取り戻すために、私はしばらくその国で魔法の修行をすることになった。
ユニオン師匠は厳しいけれど、教え方が上手い人だった。
数年間、その人の下で修業をした私はめきめきと力をつけていった。
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