第6話 レイプ

ある日、私はそのままの私で仕事をしていた。

アキナもたまには休みたい日があるのだろう。


何人目のお客様だったか定かではないが、車から降りる頃、もう辺りはすっかり暗くなっていた。

「ピンポン」とチャイムを鳴らす。

と、ちょっと筋肉質でガタイのいい、背の高い中年男性が、玄関口に出てきた。

こわそーな人だな、と思いながらも、顔には出さず、いつも通りに挨拶をし、中へ入る。普段は、知ってる人の相手しかしていなかったので、久しぶりの知らない人・知らないおうちに少し緊張していた。


サービス内容の確認の時に、「本番」を希望されたので、わたしにはできないので申し訳ないと謝り、「キャンセル」または「チェンジ」がいいですよと言った。

「本番はなくてもいいから、お願いしたい。」と言われ、素直に信じ、ドライバーに分数を伝えた。


一緒にシャワーを浴びて、お風呂に入り、サービスを重ね、布団へ。

60分が経過するころ、サービスはクライマックスのスマタの体勢へスタンバイ。

わからないように手にローションをつけ、おなかへと持っていく。

今日は、このまま正常位スマタで、、、と思っていたら、急に大勢をバックにもっていかれ、びっくりした私は、「何??」と聞いた。

「俺の●●をここまでしておいて、このまま帰すわけにはいかない。」

「?????!?」

え?呼んだの「デリ」ですよ?本番ないですよ?確認しましたよね??

あくまで、気持ちよくイクまでをサポートするのが、私の役割で、本番したら、仕事でなくなっちゃいますから、、、、、、、、??つか、帰りたい。

の一心だった。


逃げても逃げても、追い回してくる。


怖い。。。。電話は、カバンの中。


ここは、ロフトの上で、カバンは下にあった。届かない。。。。


結局、無理やり引っ張られ、私は、捕まってしまった。。。。


と、いうところまでは覚えているのだが、どうやら交代人格はアキナではないようだった。また元の人格にもどると私は、その人のお風呂で泣きじゃくっていた。


「熱いお湯で消毒すれば妊娠しない。」男の人はそう言うと、熱いシャワーを手渡してきた。私は、服もろくに着れずに、頭もつかまれてくしゃくしゃになったまま、どうやってかは覚えていないが、ドライバーさんの車に乗り込んだ。


その先は、もう何も覚えていない。

気づけば2日が経っていて、家に帰る途中の車の中だった。

財布の中には、いつもと同じだけお金が入っていた。

きっとアキナが続きのお客様をこなしてくれていたにちがいない。


後日、女の子から、その人が揉めて出禁になったと聞いた。

揉めたとして、社長やドライバーが何を言ってくれたとしても、別に私に

何か報告があるわけでもなく、、、聞いたのかもしれないが、、、ただひたすら傷ついただけの結果となった。


感情や記憶は、檻の中の人が持っているに違いない。と私は思う。

でなければ、私自身がここにいるのは不自然に近い。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

私という生き方。。。 まき @maki1201

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ