第2話 仲間ってなんだろう?
夜休む前に始まっちゃったみんなへの『
俺自身の確認にもなるし、みんなの意見で気付ける力の応用なんかもあるかもしれないって話ながら感じてきた。こっから先の呪罪はロロ以外は見たことないものになる。
「んで…次は『
「かなりざっくりした力ですね?」
「まぁ細かいことは長くなるから、大まかにはこんな感じってこと」
「それにしても全部変わってるな! 聞いてるだけで面白い!」
ロロとの訓練でしかまともに使った記憶がないから全容把握してる訳じゃないからな。しかも『
「4つ目が『
「な、なんでもですか?」
「物体は奪えないし、許可もらうまでのプロセスが面倒なんだよな」
とは言っても強力というか極悪な力だと思う。もし2つの呪罪を発動できたとして、『
「ちなみに返すことも出来るから、考えてみれば皆の力を借りることも出来たりするな」
「奪った力は無条件に使いこなせるんですか?」
「奪った相手が使用していた同じレベルで奪えるよ」
「ふぇ~、すっごいですね」
フィオナの『
「それで…5つ目が『
「魔力を喰うってことは武器に纏われている魔力は喰えるけど、武器自体は消せないってことですよね?」
「そうだな、だから万能ではないし魔術は大体喰えるけど右手だけだし、武器使う相手には有効じゃない場面が多いからな」
「俺やリーシャ嬢相手には他の力程有益ではないってことか」
でも『
「まぁ一度で喰える量は限度があるんだけどな……んで次が『
「「「えっ?」」」」
そこまで真面目だったリーシャ・フィオナ・エルから少しマヌケな声が出る。確かにこれだけ言ったら、なんか拍子抜けしちゃうような力に感じるか。
ジンを見ると難しそうな顔をしている。
「…恐ろしいな、殺し合うはずなのに気付けば自分だけ仲良くなったように思わされて不意打ちで殺されるかもしれないってことだろ?」
ジンの発言にマヌケな声をだしていた3人が再び緊張感走る顔になった。これだけでそこに辿り着くのはさすがジンって感じだ。
でも『
「その通り、言い換えれば相手との関係性の距離感を条件は少しあるけど変えることが出来るから、情報を聞き出したり仲間内で争わせたりと平和的じゃない方法がたくさん出来る」
さすがにここまで言うと3人とも恐ろしくなってしまったのか再び怖い顔になってしまった。
「じゃぁ、今までフォルカさんと仲良くなったように感じたのは…」
フィオナが涙を拭う仕草をしながら演技っぽく語り始まる。
……いや! 違うよ!
「使ってないって! こんなの誰かに試したことない!」
「でも使ったことにすら気付かれずにやれるんですよね?」
「そうだったなんて…」
「フォルカさん…」
おい! こいつら疑い始めやがった! 別に『
「くそっ! そんなに面倒だと残り説明しないぞ!」
「「「ごめんなさいっ」」」
「リーシャ嬢も慣れてきたな! 切り替え速い! 良い連携だ!」
ジンは面白かったのか、リーシャがこんなことに乗っかるのが面白かったのかケラケラと笑っている、ロロは知った内容だからか眠そうにしている。
「まぁ後2つって言っても、残り2つは使ったこと無いんだ。『
「今ので思い出したのですが、ヴァニタスさんとの戦いでフォルカの魔力が急激に増えたのはなんですか?」
「あぁ…『
「ではまだ7回も大幅に魔力が増える機会があるのですか…」
「全部する頃には魔力量モンスターだな!」
大笑いするジンだけど、今の時点でリーシャの数倍は魔力があるはずだ、確かに残り7つと結んでいる時にはどうにかなってるかもしれないな。
こんだけ話してるとさすがに疲れたな、でもこの話が何かの役に立つかもしれないから良いことしたって思っておこう。
「フォルカに武器の心得だったり何かしらの武道を修めていたらと思うと恐ろしい話だな」
「そこらへんは特訓あるのみだな」
「頑張るにゃ~」
さすがに話が長くなりすぎたのか、フィオナとエルはウトウトしているので休む準備をして順番に休んでいくことにした。
◇
ーーガントル領 最北部の村
早朝に出発し、お昼を少し過ぎたくらいで到着することが出来た、エルフリッドに行く前にジンが1泊した村に辿り着いた。
さっそくジンとリーシャは宿を借りに行くと言い、エル・フィーナ・ロロは買い物と探索に出て行った。
谷を越えた少し高地にある場所なだけあって空気が美味しく感じるし、自然に溢れている、村人は100人もいないような感じだとジンが言っていたが静かで良いところな気がする。
俺は強力な呪い持ちで王国騎士がいようもんなら面倒だから買い物組が探索終えるまで目立たない場所にいてくれと言われている。
「ん~、まぁ村のはずれにでも行って筋トレでもしてるか」
せっかくの自由時間なので、目立たないところで1人でトレーニングでもするのが良い時間の使い方だと思い、人気のないところへと歩いていくことにした。
何件か家を過ぎ、何個かの畑も過ぎていって人気の無さそうな場所へと向かう。離れすぎると魔物が出る可能性はあるけど人里の近くにいるような魔物なら対処出来るから問題なしだな。
「いや~平和っていいな!」
身体を伸ばしながら天気の良い大空の下をのんびりと歩いていられるって、考えてみれば幸せなことだなって思う。
今の世界じゃこんなことすらも危険で出来ない者たちがたくさんいる。
「なんとかしないとな…」
なんとかする画期的な方法は思いつかないけど、こんなことすらもさせばいように血眼になって罪の無い呪い持ちや魔族なんかを襲うやつらは早くどうにかしたい。
「どうしたもんかな」
そんなことを考えながら歩いていると、少し離れたところから視線を強く感じる。
完全に俺一人に狙いを定めた感じだな、追ってきているけど尾行が下手なのか気配が全然消せてない。
ある程度の場所まで歩かせるつもりなのか?
少し警戒しながら森の中に入っていき、歩いていくと開けた場所に出てきた。俺がここに近づくにつれて尾行してきてる奴の足も速まったってことは、最初からここが分かってたってことか、つもりここの地理に詳しいやつか。
「ここに連れてきたかったんだろ? 出て来いよ」
俺が聞こえそうな感じで言いながら後ろを振り向くと、黒髪黒目で身長は俺より少し小さめ、動きやすそうだが鎧でもなんでもない服を着ていて、ジンと同じような刀ってやつを1本もった男が出てきた。
「…この村に何の用だ?」
その男は鋭い眼光を俺に向けて、刀に手をかけるだけで抜かずに敵意むき出しで尋ねてきた。
これなんて答えてもどうせ斬りかかってくるやつじゃん。
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