第4話 開き直んないでよ

「いいかげんにして! これで何度目よ!」

何度目だろう、この言葉。

手紙を投函するだけの事、頼まれてからもう一週間が経っていた。

「ごめん」


「なんで言われた時すぐにしてくれなかったの」

「なんで忘れちゃうのよ」

「なんで?」

言い訳のしようが無い。『なんで?』この言葉が容赦なく僕の心臓を切り裂いていく。

「なんで?」それは僕が聞きたい。僕が一番僕を信用してない。信用なんて出来る筈が無い。


「ごめん」

「それはもう聞き飽きた! なんでなのか聞いてるのよ」

「ほらまたそうやって黙る」

「直す気が無いから何も言わないんでしょ」

「ごめん。でも」

「でもなによ!」

「いやその…」

「ほらそうやってすぐ開き直る! 『だから僕は出来ません』? はぁっ? 手紙を出すだけの事が出来ないの? 小学生だって出来るわよ」


僕は絶望感と無力感に押し潰される。

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