第4話

その時、部屋のチャイムが鳴った。

「誰だ?」

 ドアモニターを見てみると、そこには先生の姿があった。

 僕はドアを開けた。 

 僕らの前に現れたのは、先生だった。

「君達、無事だったのですね」

 いつものように、ニコニコしながら言った。

「え、ええ」と僕は言った。

 どうしてここが?

 でも、先生は当たり前という顔をしていた。

「それはよかった。……ですが一つ問題が」

「問題?」

「先ほど政府から被害報告が出ましてね。人数が合わないんですよね。あちらの街と」

「合わないって……」

「10代の男女が2人。こちらの方が被害が少ないんです」

 そう言うと先生は胸からピストルをだした。

「だからあなた達で人数調整をすることにしました」

「え…」

 僕達が驚く間もなく、先生は胸からピストルを取り出した。

 そして僕と彼女の心臓にピストルを撃った。

 彼女の胸はべったりと赤い血に染まった。そしてバタッと後ろに倒れた。

 僕も立っていられず、両膝が床についた。

「大丈夫です。40代の男性も1人合わないので先生で調整しますから」

 先生はニッコリと笑って言った。

 薄れゆく意識の中で、僕が最後に見た光景。

 それは先生が笑顔のまま、自分のこめかみに向けてピストルを撃つところだった。


 

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やがて飛んでくるミサイル 空木トウマ @TOMA_U

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