第22話 お忍びメイドと目ざとすぎる男
カンベエ・ブラックフィールドが頭を下げると、ビッチュウ=タカマツ城の石垣の上で無表情で眺めていたエケイ・ブラックテンプルは、とっとと城の中に入って行った。
ムラカミ・パイレーツのふたりは、ゴザを広げて宴会をおっぱじめた。ムネハル・クリアリバーのお
まったくいいご身分だ。
カンベエ・ブラックフィールドは、ため息をついて荒縄で松の木にくくられた
カンベエ・ブラックフィールドは、懐から貝殻を取り出した。
カンベエ・ブラックフィールドは、
そして、静かに
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特殊効果:
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カンベエ・ブラックフィールドの瞳、具体的には角膜に直接、娘の情報が映し出された。
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名前:コトリ・チョウツガイ
職業:お忍びメイド
スキル:
統率:05
武力:09
政治:06
智謀:03
教養:08
魅力:93
習得
状態異常:なし
特殊判定:
カンベエ・ブラックフィールドは、
「もし」
(!?)
「お前だ。忍の娘」
(……な、なんで気づいたん??)
お忍びメイドのコトリ・チョウツガイは、心臓が飛び跳ねた。背筋がゾクゾクとした。
「こたびは7ヶ月前のイナバ=トットリ城の時のような、
(……イ、イナバ=トットリ城? あの時もバレとったん? 目ざとすぎません??)
「我が一族のマジックアイテム〝
(……ま、マジですか?)
「見た限り、こだびの任務も
コトリ・チョウツガイは、ガクブルと震えながら、何度も何度も首を上下に動かした。首が千切れんばかりに
「どうせタカカゲ・リトルリバーのお節介であろう。死出の旅路へと、
コトリ・チョウツガイは、ガクブルと震えながら、何度も何度も首を上下に動かした。首が千切れんばかりに
「では、とっとといくが良い」
カンベエ・ブラックフィールドは、
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コトリ・チョウツガイは、ガクブルと震えなながら、抜き足差し足と歩みを進めた。警戒しているからではない。怖いからだ。怖くて足がすくんで動かないのだ。
コトリ・チョウツガイは、ひいひい言いながらどうにかこうにかビッチュウ=タカマツ城に入った。
そして、自分が完全にカンベエ・ブラックフィールドの視覚に入らない状態になったことを入念に確認してから、〝かわのたて〟を天にかかげた。
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〝かわのたて〟のスキル、〝
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プルルルル……ガチャリ
(コトリちゃん、首尾はどうだい)
〝
コトリ・チョウツガイは、念のためこそこそと小声で会話を始めた。
「守備も攻撃もないです!(こそこそ)
相手方のお侍さんにバッチリ見つかりました!(こそこそ)」
(え?
「はい、今も使ってます。
使ってるんやけど、なんや貝殻に入った目薬つけて、
(貝殻に入った目薬? まさか、
「多分、そうやと思います。なんやよくわからんけど、カンベエ・ブラックフィールドって呼ばれています(こそこそ)」
(そうか、あの天下一の軍師か……完全に油断した。俺の責任だ)
「タクミさんは悪くないです。イナバ=トットリ城に行ったんもしっかりバレとりました。(こそこそ)
せやからタクミさんは悪くないです。悪いのはイツキさんです! 厳重注意しといてください!!(こそこそ)」
(本当か? いやはや、流石は天下一の軍師。我々では足元にも及ばないな……)
「そうです。ほんまイツキさんには、あんまり調子に乗らんよう、きつーくお灸を据えたってください!(こそこそ)
……とりあえず、なんや知らんけど、見逃してくれるらしいんで、わたしは任務を続行します(こそこそ)」
(了解。じゃあ、僧侶が退出したら、
「はーい!(こそこそ)」
ガチャリ
コトリ・チョウツガイは〝
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