第5話 そんな、バスタイム3
ボトルのキャップを開けると、トロッとした透明のジェルが手に滴る。
それをちーちゃんの胸に押し付ける。
ちーちゃんの小さな口から吐息が漏れる。
ゆっくり撫でるように動かすと、吐息が少し大きくなる。
「どう?」
あたしは多分、「気持ちいい‥」とか言うんだろうと思っていた。
「熱い‥」
「熱い?」
「うん」
「どこが?」
「‥あそこ‥」
なるほど、そんなに熱いのかな?ジェルまみれの手をちーちゃんのお腹から下の方へ滑らせる。
手が生え際の辺りへ触れたぐらいから、ちーちゃんの吐息が更に大きくなる。
「あ!」
陰部に触れると、遂に声が漏れる。
あたしはもっと声が聞きたくなって、陰部の突起を撫でる。
「あ、そこ!は、」
ちーちゃんの突起をゆっくりゆっくり、触れるか触れないかの力加減で撫でる。
そのときのちーちゃんの顔は、今まで見た中でいちばん女の顔だった。
「もっと下、も、いいよ‥」
リクエストにお応えし、更にその下へと指を進める。
ここは既にちーちゃんのジェルで満たされていた。
指を入れてみる。
「んー!」
ちーちゃんの声色が変わる。
あ、ここは確かに熱い。
指をゆっくり出し入れしていると、それに合わせてちーちゃんの吐息がリズミカルになる。
しばらくでちーちゃんは「ああーっ!」との叫び声をあげて、イった。
イった後しばらく、ちーちゃんはあたしに抱きついて離れなかった。
そのハグはいつものそれよりも力が入っていた。
その数分後に、攻守入れ替えの再戦があったことは、言うまでもない。
ひとしきりお互いを楽しんだ後、バスルームを出る。
お互いの体と髪を拭きっこして、子どもみたいだね、と笑い合う。
「ボディクリーム塗ってあげる。」
ちーちゃんはそう言うと、あたしの背中にクリームを広げ始めた。ちーちゃんがクリームを手に取ると、ボディクリームの少し甘い香りが広がる。いろんな意味で熱くなった体にはひんやりして気持ちいい。
ちーちゃんの手つきは優しく、丁寧に全体にクリームを塗ってくれた。
ボディクリームを塗ることで、心も潤いで満たされるなんて。
こういうのを幸せって言うんだろうな。
「あたしも塗ってあげる。」
正確には、塗りたいんだけどね。
ちーちゃんの華奢な背中にもボディクリームを塗る。
脱毛しているのか、もともと薄いのか、その両方か。ちーちゃんの背中にはスベスベだった。
ボディクリームを塗られているときのちーちゃんの表情はとても穏やかだ。
「ちーちゃん、ムダ毛がないね。」
「そう?自分じゃあんまり背中とか分かんないから‥」
それ以上ちーちゃんは何も言わなかった。
気まずい雰囲気を作りたくないのか、ちーちゃんが話題を変える。
「このボディクリームって、リンゴの匂いなんだよ。」
これもちーちゃんが買ってきたものだ。
ちーちゃん、センスいいねと伝えると、ちーちゃんの顔が少しリンゴのようになった。
「ヘアサロンごっこしよっか。」
ちーちゃんに椅子に座ってもらう。
まだ濡れているセミロングで少し茶色がかった髪にヘアオイルを揉み込む。頭のマッサージも兼ねて。
「それ、気持ちいいよ。」
あ、そう言われるのってなんか嬉しい。
嬉しかったのでしばらくマッサージを続けたあと、ドライヤーで髪を乾かす。だんだんと艶が出てきて、ちーちゃんの髪はサラサラだなと改めて思う。
「髪を触ってもらうのってさ、気持ちいいよね。」
触ってる方もね。
好きな人のケアをさせてもらえるのって、すごく嬉しい。
ボディクリームの塗りあいっこや、髪を乾かし合うことは、すごく幸せだった。
そこには深い信頼や、それ以上の何かを感じた。
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