第3話 そんな、バスタイム

一緒に生活を始めるとき、広いお風呂が良いと言い出したのはちーちゃんだった。家賃のこともあったが、ユニットバスはやめ、しっかりとしたバスタブのついている低層マンションを借りた。バスルームに大きな鏡がついていたことも、二人の満足したポイントだった。


「じゃあ、あたし先入るね」

「うん」

いつもちーちゃんは後から入ってくる。

バスタブにはお気に入りのセラミド入浴剤。甘い香りが浴室を満たす。

たっぷりと張られたそのお湯に鎖骨まで体を浸す。


あったかい。


力が抜け、体がほぐれる。

その感覚を味わっていると、ちーちゃんが入ってくる。


白くて肌理細かく、柔らかそうな肌。

ちーちゃんのお尻はどうしてあんなに綺麗なんだろう。

シャワーをかけるちーちゃんにしばらく見惚れていた。


ちーちゃんは視線に気づき、少し笑いながら俯いた。

シャワーを止め、何も言わずにスーッと湯船に入ってくる。


「この入浴剤さあ」

「うん?」

「二人でアウトレット行ったときに買ったやつだよね。ユキちゃんが欲しいって。」

「あたし、乾燥肌なのがコンプレックスでさ。ちーちゃんみたいな肌になリたくて買ったんだよ。」

「そっか。お風呂出たらボディローションたっぷり塗ってあげる。」


「ちーちゃん、こっちおいでよ。」

お湯に浸かりながら、ちーちゃんを後ろからハグする姿勢になった。


「この姿勢って、すっごい安心する」

ちーちゃん軽いなあ。抱きしめる腕に少し力が入った。

しばらくちーちゃんを堪能する。


「反対!」

ちーちゃんはそう言うと、私の後ろに回った。今度は私が後ろから抱きしめられた。





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