第2話 最悪の再会
「…ってことがあってなー、ほんと大変だったんだよ」
「ふーん、あの氷沢さんがねえ」
こいつは岩崎楓、俺の一年の時からのクラスメイト。結構仲も良かったので同じクラスにまたなれてよかったと思う。まあ、あの件があったことによりクラスでちょっと浮いてしまってるし。
「何、あいつなんかあるの?」
「まぁな、去年な、同じクラスだった男子を不登校にさせたって話があってな」
それから俺は、あいつがあらぬ疑いをその男子にかけたこと、グループの男子からその話がクラス中に広がったこと、その後いじめが発生してしまったことを手短に聞いた。
「なるほど、そんなことが…ってやばくねそれ普通に? 俺狙われた?」
「まあ、気を付けておくべきやな」
楓はたまにエセ関西弁を使う。そしてそれを使うときに限って、こいつの場合ガチなのだ。気をつけよう。
「おいお前らー、話し過ぎだぞー、そろそろ席に着け―」
担任に怒られてしまったので俺達は仕方なく席に着く。
「今日はこれから係と委員会を決めるぞー、まずは学級委員決めるぞー」
うーん学級委員か、やりたくはないなあ。
「せんせー、これって推薦でもいいですかー?」
生徒の一人が質問する。まあ筆頭格ならいるしな。そいつがなってとりあえず進むだろ。
「とりあえずいいぞー」
「じゃあ、風張くんで!」
…
シーン
…
「は!?」
なんで俺が、いや分かるよ遅れてきて浮いてるし、でもガチでやなんだけど。どうすんの。
「じゃあはい、わたしもやります」
反論しようとしたが、女子のほうも立候補してしまい、タイミングを完全に失った。
「じゃあこの2人でよければ拍手してくれー」
ぱちぱちと拍手が鳴り響く。は?俺が学級委員?できるかっての。
「じゃあ2人とも前に出てきて他の係、委員会決めやってくれー」
☆☆☆
「よろしくね、風張くん! 突然だけど、透也くんって呼んでもいいかな?」
「まあいいけど…」
えーと、確かこいつは…
「じゃあ俺も夏澄って呼ぶわ、いい?」
思い出した、こいつは伊藤夏澄。確か前も同じ委員会だった気がする。ちなみにその時俺は保健委員会だった。楽そうだったから。
「いいよー!」
「とりあえず今日集まりあるみたいだし、行くか」
「オッケー!」
☆☆☆
「えっ」
「あっ」
「「はあ~~~!?!?」」
集合場所である視聴覚室に入った直後。俺は氷沢とばったり鉢合わせてしまった。
「なんであなたが」「なんでお前が」「「ここにいるんだよ!!」」
「なんだなんだ」「仲良しか~?」
周りははやし立てるが、俺は、いや俺達はそれどころではなかった。
「じゃあ集まり始めまーす、席に着いてください」
前委員長みたいな人の鶴の一声で、とりあえず収まりを見せた。
今回の委員会は長くなりそうだ。
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