第2話 勇者ナンバー
僕は、もう一度聞き返した。
「67人目って、な、なんですか!?き、聞いてないよ!!」
騎士、ライナンは、自分の口を両手でふさいでいた手で頭をポリポリと掻きながら言った。
「し、知らないよ〜、き、聞き間違いじゃーな、ないのかな〜」
とぼけやがって、この野郎、僕がいい奴と思った心を返して欲しい!とんだ、嘘つき野郎じゃんかよ!
「ふーん、じゃあほんとだったらどうします?どう責任とってくれるんですか?」
グキっと顔に書いてあるような顔をして、頭をゆっくりと下げて
「す、すいません、勇者は、死な人数も半端なくて、適性も少しあれば、勇者認定するようにしてるんです、、すいません、今年は特に多くて、、でも、これで、この人数いたら世界も救えますね!!」
僕に、衝撃が走った。
「な、な、な、ち、ちなみに僕は適性が多かったほう?少なかった方?」
ライナンは、悲しげな顔をしていた顔を、笑顔にすり替えて頭を上げて言う。
「少ない方です!」
僕は、僕は、そんな小さな望みの為に、幼馴染と引き離されたのか、、僕の魔王への道が、、
「あ、あぁ、、、」
そしてまたライナンが満面の笑みで
「大丈夫です!保険に入れば家族に遺産を残せるよ!心配ない!今なら、、んー、、ここと、ここの保険会社がいいですね、なんなら今から行く?あ、ごめんなさい、今はダメですね、そろそろ迎えの者が来るはずなのになー、すいません〜言い忘れてたね、もうすぐしたら王様と勇者の対面があるんだよ、もうすぐだけどまだ時間はあるから心配しないでOK!だから」
と、よく分からない口調で言ってくる。
「ほ、保険だとぉ?そしてそんな大事な事忘れてちゃいけないでしょ!」
まあ、誰にでも失敗とかは、あるけどさー普通は、大事な事って、まあ、一応思い出したんだし、、
「遅れてすいません!」
遠くの方から走って来ているやつがいる。
「いや、ジャストタイミングだよ」
まあ、新人なんだろうなって感じの、青年だった。この息切れしている感からみて多分全速力で走って来たんだろうな、と伝わってくる。こういう人は好きだ。
どこぞのライナンとかいう騎士は、ねー、まあ、これもやり方のひとつか、、と、僕は少しだけ納得する。
「じゃあ、行こうか!そして新人!遅いぞ今度からもっと早く来るように!」
と、ライナンは、偉そうに言う。新人だからって、まあこれも教育というものか、、
「す、すいません、で、では、行きましょう」
と、少し自身なさげに、青年は言う。
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