14本目 胡蝶の夢

 誰しも、「今自分が夢の中にいるのか、それとも現実なのか分からない」状態に陥ったことがあるだろう。


 そして、そういうときは大抵夢の中にいて、しかも決まって何かピンチが訪れているときである。


「トイレ行きたくなってきたな....だが待て、なんだか変な感じがするぞ」


 ところで、有名な荘子の話に「胡蝶の夢」というのがある。


「このまま用を足していいのだろうか」


 荘子はあるとき、蝶となって羽を羽ばたかせて飛んでいる夢を見た。はっと目が覚めたときに荘子は自分が人間であったことに気付くが、果たして人間が蝶になる夢を見ていたのか、それとも今は蝶が人間になる夢を見ているのか、荘子はどちらか分からないと述べた。


「夢の中ならばこのまましてはまずいが、我慢するにも漏れそうだし、今どっちにいるのか分からない」


 荘子の思想としては、主体としては変わらないのだからどちらでも良いという話になっている。



「まあ、大丈夫か!」


 無論何が起きても荘子に責任はない。

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