12本目 寝てるか起きてるか判りづらい、半眼の猫の本心かもしれない何か

 人間社会もとい世界を支配しているのは、やはり愛玩動物もとい我々『猫』に他ならないだろう。


 なぜ猫なのに人の世について知っているのかだって?あまり猫を舐めないほうがいい、そうやって『所詮は動物だ』『知的生命体の人間様に守られているだけ』『独身が飼うと婚期が遅れる』などと常日頃から我々を侮っているから、胡坐をかいて座っていたはずの玉座をいつの間にか明け渡していることに気が付かないのだ。


 想像してもみたまえ、君なんかよりもよっぽど多くの富を蓄えている金持ちが、これまた金持ちらしい一人用ソファに座って膝に抱えた猫を撫でている様子が容易に想像できるだろう。実際にそんな奴がいるかはここでは問題ではない。


 むしろ、実在が疑わしい『猫を撫でながら座る富者』の姿が、日本経済の凋落に大きく貢献しているに違いない君のような想像力も乏しい人間ですらピンポイントで想起できるほど脳に刷り込まれているということ、それすなわちとして、猫が精神的にも物理的にもホモ・サピエンスを傀儡にし、ピラミッドの頂点へと君臨している現状を体現する確たる証拠ではないのかね。


 わかったらさっさと昼飯とブラッシングの準備をしたまえ。

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