第2話
「ところでさ、相続人ってどうゆうこと?」
「あ!そっからか!」
謎な森ーアリアスの森の相続人といっても役に立つのかな?正直アリアスの森の事なんにも知らないし、それに...
「まぁ、見てもらったほうがはやいね!ご主人様。」
ミレってすんごくいい子!低身長だけど。何歳かも分かんないし...。
「ご、ご主人様!?」
「そう呼べって掟が.......まぁ、いっか!」
「?」
「とりあえずアリアスの森を案内するね!まずは...。」
そうミレが言った瞬間場所が変わった。
「!?」
「基地に案内するよ!」
目の前に広がるのは大きな大きな木のツリーハウスだ。こんな大きい木初めて見た。文献でも見た事ない。
「この木がこの森の御神木。ウレンカトラの木だよ。いつからあるのかは知らないけど。いつかご主人様が僕の力を使えるくらい強くなったらこの木のこと教えてあげる。」
「わ、分かったわ。」
「さ!中に入って!」
不思議な森だなーと思いつつ中へとはいる。
「改めて、アリアスの森へようこそお越し
くださいました。これからよろしくお願い致します。ご主人様。」
「よ、よろしく。」
お互い礼をして微笑む。
「それでは、ご主人様のお仕事をお教え致します。」
「は、はい。」
「まずはこちらへ。」
言われるがままにエスコートされる。私ってお嬢様だったっけ?普通の1村人だったと思うんだけど?
「こちらのお部屋です。」
「すごく素敵なお部屋...!」
「ふふっ最初は皆さんそういうみたいですよ?この部屋は書斎です。この部屋は初代の相続人人からずっと引き継いでおります。」
何百年も前に作られたはずのアンティークの家具は私に似合わないくらいに精密に作られていてとても初代の相続人さんは素晴らしい人だったんだなと思わされる。
「といってもルア様はまだこの部屋あまり使いませんけどね。」
「え?」
「この部屋はアリアスの森の管理所でもあります。使いこなすにはまずは先代の力を受け継ぐ必要があるので。」
「そ、そっか。」
「でも、最初は、」
フワッ
いきなり強い風が吹き、目を閉じる。目を開けると、
「だ、誰?」
「ルア・フリセント様ですよ?」
誰か疑うほど綺麗になっていた。服も髪型も。自然とこの部屋の雰囲気にあっていた。
「ふふっそのままの服でも良かったのですが、この服の方が綺麗でお似合いですよ?」
「あ、ありがとう。」
「さぁ、次の部屋に案内しましょう!」
そういわれ様々な場所へと案内された。様々な本の置かれた書庫やすごく大きな机のあるダイニングに色とりどりの花の咲きほこるテラス。どこをとっても素晴らしい建物だった。本当にこの森を相続しても良いのだろうか?
「最後はこちらです。」
そう言われて前を向くと綺麗な泉と石碑があった。
「凄く幻想的な場所だね。この石碑は?」
「この石碑は、先代の力の眠る、遺跡でございます。この力は全てルア様は引き継いでいただきます。」
「わ、分かったわ。」
...さっきからずーっと考えていた。私が力を受け継いだらどうなってしまうのだろう。ミレの話だと人によって受け継ぐ力が違うと言われている。私はそんなこと思いながら石碑に触れた。
すると辺り一面が光りだした。それは赤く、青く、一瞬の出来事だった。
「.........え?」
「ルア様、教えてください。なんの力を受け継いだのですか?」
そう言って私の首元に触れる。
「ビクッ!き、急に触れるとび」
「ルア様。」
言葉を遮られた。ミレの方を見るとすごく驚いた顔をしていた。
「どうしたの?」
「.........ます。」
「?」
「全ての力を受け継いでます。そんな事ありますか?」
「えぇ!?そうなの!?」
「という事は.........っ!」
「?どうかした?」
「い、いえ。なんでもありません。」
「.........ね!私お腹すいた!」
「.....そういえばそんな時間でしたね!すぐに準備しましょう。帰りましょう。」
「はい!」
そう言われ再びエスコートされながら歩く。.........私には彼が何を言いかけていたか聞こえてしまった。凄く苦しそうな、悲しそうな、泣きそうな顔をしていた。
『という事は.........ルアも殺さなければならない、のですかっ?』
続く。
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