第1話 ~告白大作戦決行します!!~
翌朝、普段学校へ行く時間のギリギリまで寝ているが今日は早く目が覚めた。爽やかな気分なので、いつも以上に気合いを入れて身支度をして学校へ向かった。それに早く行けば茜と2人になれるチャンスができる。なんでかっていうと、彼女は毎朝早く来て学級委員の仕事をしているからだ。それに朝の早い時間でないと、ゆっくり話もできない。
今日の俺は朝から気合いが入っている。なぜなら『茜に告白する』という大事なミッションがあるからだ。作戦名は『下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる』。なんてったって茜は高嶺の花だし、たった1回の告白程度ではOKをもらえるわけがない。だから、会うたびに「好き」って伝えるんだ。それを親友の
しかしいざ、告白するとなると心臓の鼓動が鳴り響く。胸に手を当ててドキドキしながら教室へ向かうと、背後から箒を持った茜に「おはよう!」と声を掛けられた。心臓が止まるかと思ったわ。
「どうしたのカケル。普段より早いじゃん。ようやくやる気満々になったの?」
動揺のあまり声がうまく出てこない。発生練習もしておくべきだった。だんだん心臓の音が大きくなり手汗まで出てきた。やっぱり今日は告るのやめようかな……いや、それはダメだ。頑張るって決めたんだから!
「茜!」
「なに?」
「す……」
「ごめん」
『す』しか言っていないのに速攻でフラれた。
「そ、そうだよな。俺みたいなヤツと釣り合うわけないもんな」
ショックを苦笑いで必死に隠す。人生初の告白は失敗したが、俺はそこでへこたれたりはしない。茜も申し訳なさそうな表情で俺にかける言葉を探している。
「今日はダメだったけど俺は1回フラれた程度じゃ諦めないから!何度でもリベンジするから!」
我ながらストーカーみたいな宣言をしてしまった。それを聞いた茜がクスッと笑った。それ以来、俺は朝同じ時間に来ては告白してフラれていた。最初の数日はまだまだ緊張していたんだけど、1週間以上言い続けていたら「好き」という言葉を言うのに抵抗がなくなっていた。しかし、言い過ぎて最近では「しつこい!」と言われる始末。誰か好きなヤツがいるのかといろいろな連中に訊いたところ、誰1人茜の恋愛事情を知らないときたもんだ。しかし、これだけ告っても全く振り向いてくれないから、ドSなのかと思い始めてきた。
※※
『下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる作戦』は見事失敗に終わり、この先どうしたらいいのかが分からなくなってきた。途方に暮れていると、親友の如月が俺のそばにやってきて話しかけてきた。如月は俺と違ってリア充だ。
「最近どう調子は?」
「全然ダメ。手応えなし」
「だろうなぁ~。そのやり方じゃ」とニヤニヤしながら
「何か良い案でもあるのか?」
「もちろん!今までその方法で彼女をゲットしたんだから」
めちゃくちゃ自信ありそうな表情。早く教えてくれよ。
「えっ!一体どんな方法なんだ?」
「焦るなよ。あとでゆっくり話してやるから。じゃあまた放課後でな」
如月のヤツもったいぶりやがって。でも教えてくれるのは正直ありがたい。俺にはもう
続く。
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