第7話 ディズニーランド 1

Aチームほぼ全員で、デズニーランドに行った。

阿部まりえも一緒である。お客さんの娘は、ほんとうに楽しげで、はしゃぎまくっていた、そんな姿に阿部まりえの監視のためにどこぞの国から派遣された、エージェントというのは自分たちの勘違いなのではと思うほどだった。朝から皆んなで遊んでそろそろ疲れたのでお茶にした。少し落ち着いたのか、お客さんの娘は真面目な顔になり。言った。

「おかしいでしょ」

「えっ、」と言って、メンバーが顔を見合わせた。

「別にそんなことは」と谷田部彩香が言う。

「いいの。私の国は貧しいから。こんな楽しい所なんてないし、旅行とかでいくこともない」

と言われてさてどうしたものかと谷田部絢香は考えた。すると阿部まりえがおもむろに口を開いた。

「まあ、人それぞれだから、でも今は私たちの友達だから、あなたが楽しんでくれることは。私たちにとっても嬉しいことだよ」

「友達」

「ええ、あなたのお国の人たちには悪いけれど、友達のあなただけでも、今を楽しんで欲しい」

「ありがとう」というお客さんの目から涙がこぼれた。その時谷田部彩香は自分と、このお客さんの娘がエージェントであるということを完全に忘れていた。

「何、泣いているのよ、友達じゃない、ねえみんな、」すると、ほかのみんながそうよそうよと言って、お客さんのの肩を抱いた、谷田部彩香は自分以外も同じように思っていたんだなと、お思った。そしてそのあとは、同じ大学の同級生として夜まで遊んだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る