第2話②『絶望的な日常』とは、『色の無い世界』
「いらっしゃいませ。──お弁当、温めますか?」
「は~い!あの~店員さん、彼女とかいるんですか~?」
「いえ。いませんが」
「じゃあ私、立候補しちゃおっかな~」
「お客様。1582円になります」
「ちぇ~。ツレナイの~」
夜のバイト中は、酔っ払ったお客さんも多い。そんなお客さんをあしらうのも初めの頃は一苦労していたが、今ではもう慣れてしまった。
“こういう奴等が死ねば良いのに”──そう思いながら…。
「要君。今日もモテモテね~」
「沢本(さわもと)さん。そんな事無いですよ」
そう言って、ニッコリと笑って見せる。
「でもイケメンだもの~。絶対彼女いるでしょ~?」
「本当にいないんですよ。僕、ネクラですから。──それ以上言ったら、セクハラで店長に言いますよ!」
「もう!要君ってば!!──あ!いらっしゃいませ~」
沢本はそう言って、レジへ向かった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます