第2話②『絶望的な日常』とは、『色の無い世界』

「いらっしゃいませ。──お弁当、温めますか?」

「は~い!あの~店員さん、彼女とかいるんですか~?」

「いえ。いませんが」

「じゃあ私、立候補しちゃおっかな~」

「お客様。1582円になります」

「ちぇ~。ツレナイの~」


夜のバイト中は、酔っ払ったお客さんも多い。そんなお客さんをあしらうのも初めの頃は一苦労していたが、今ではもう慣れてしまった。


“こういう奴等が死ねば良いのに”──そう思いながら…。


「要君。今日もモテモテね~」

「沢本(さわもと)さん。そんな事無いですよ」

そう言って、ニッコリと笑って見せる。

「でもイケメンだもの~。絶対彼女いるでしょ~?」

「本当にいないんですよ。僕、ネクラですから。──それ以上言ったら、セクハラで店長に言いますよ!」

「もう!要君ってば!!──あ!いらっしゃいませ~」

沢本はそう言って、レジへ向かった。

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