第4話えっ、迷子!?

数日後の宿泊研修。


行事はどんどん進んで、オリエンテーリングの時間がやって来た。


2時間ほどして各チームがゴールである公園にどんどん帰って来ている中、なかなか帰って来ないチームが1チームだけあった。


「えっ!?僕のクラスのチームですか?」

オリエンテーリングスタートから3時間が経過していた。

万里のクラスの1チームが帰って来ていないというのだ。

「Cチームがですか?」

「高校生になって、迷子!(笑)」

「西山先生!笑い事じゃあ無いですよ!!そりゃあ“地図まで渡してるのに迷子だなんて、ちょっと…”とは思いますが…」

“Cチームって、河村のチーム…”

「あと30分して帰って来なかったら、警察に捜索願いを出しに行きましょう。冴島先生は、これから車で探しに行ってください」

学年主任の宮崎(みやざき)が言う。

「分かりました」

急いで車に乗り、探しに行く。


それから20分くらいして、ようやく美有希達のチームが公園に帰って来た。

「あなたたち!冴島先生、探しに行ったのよ!『5時までに帰って来なかったら、警察に捜索願いを出しに行く』って話し合ってた所だったのよ!」

「警察!?」

「先生!この地図難し過ぎ」

「ワケ分からなかったんだけど~」

「とにかく!早く帰りなさい!!もうみんな、とっくに帰ってるわよ。西山先生は、冴島先生に『無事に帰って来た』って連絡してください」

「分かりました」


すぐに万里の元に連絡が行く。

「──という事だから。とりあえず、公園に帰って来て」

「分かりました」

“良かった。無事で…”

オリエンテーリングの地図は山の中だったため、下手をしたら遭難もままならなかった。

万里は、それを心配していた。


“それにしても…河村のチームは、方向音痴の生徒ばかりだったんだろうか?”

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