第三章

第25話 リザルトの食卓

〇藤栄要(ふじえかなめ) Lv:10(PC)

Category(種族):人間(ヒューマン)

Class(職業):未来の大英雄

Condition(状態):正常


——ステータス——

HP(体力):180

EP(気力):100

AT(物理攻撃):155

DF(物理防御):245

MAT(魔法攻撃):65

MDF(魔法防御):199

AGI(敏捷):153

TEC(技量):82

INT(知性):70

LUC(幸運):2


——装備——

頭:旅人の帽子

右手:旅人の大剣

左手:——

胴:旅人の服

足:旅人の靴

装飾1:英雄の指輪

装飾2:赤銅の外套

セットアップボーナス 【旅人装備AGI+10】


——セットアイテム——

体力ポーション×10

気力ポーション×10

万能薬×5

精神安定剤×5




「食事中に行儀が悪くないかい? 要くん?」

呼びかけに反応し、開いたステータスウィンドウから対面の人物へと視線を移す。テーブルを挟んで座っているのは金髪碧眼の幼女、ヴェルトラムだ。

 朝食であるフレンチトーストをいっぱいに頬張り、天使のような容貌を一層微笑ましく見せている。


「悪い。けど昨日はどれだけレベルが上がったか……確認しなかったから気になったんだよ」

「ゴブリンキングとの戦闘中はそれどころじゃなかったし、その後もすぐ休息に入っていたしね」

 そう。始まりの町『ファスタ』に迎え入れられ宴会、入浴、睡眠とすっかり休みに入ってしまっていた。

 おかげで多数のゴブリンにゴブリンキングとの大立ち回りがどれだけの糧になったか、それすらも確認していなかったのだ。



「私はレベル10になっていたよ。要くんも同じだろう? 良かったら『天眼』で見てみるといいよ」

 んじゃあ、お言葉に甘えて……スキル『天眼』。




〇ヴェルトラム Lv:10(PC)

Category(種族):妖精(フェアリー)

Class(職業):幼き妖精姫

Condition(状態):正常


——ステータス——

HP(体力):75

EP(気力):185

AT(物理攻撃):43

DF(物理防御):50

MAT(魔法攻撃):195

MDF(魔法防御):175

AGI(敏捷):135

TEC(技量):82

INT(知性):235

LUC(幸運):MAX


——装備——

頭:妖精のヴェール

右手:妖精の魔杖

左手:——

胴:妖精の礼服

足:妖精の靴

装飾1:妖精姫のリボン

装飾2:緑の腕輪

セットアップボーナス 【妖精装備EP+20】


——セットアイテム——

体力ポーション×10

気力ポーション×7

万能薬×5

精神安定剤×5




 たしかに、俺と同じレベル10だ。ステータスの上がり方も完全に後衛タイプ、俺とは真逆だな。

「ああ……それでよ、ちょっといくつか聞いてもいいか?」

 ヴェルトラムがフレンチトーストをまた一口、たっぷりと咀嚼して味わった後に嚥下する。その嬉しそうな表情がまた何と愛らしいことか……



「……もちろん、私に答えられることならね」

「じゃあまずは、経験値の分配とかはあるのか? 俺とお前はパーティを組んでいるんだよな?」

「ああ、パーティを組んでいると均等に分配されるよ。当然、戦闘に『参加』している前提だけどね」

 明らかに『参加』の部分にニュアンスがあった。いわゆるパーティにくっついていくだけの『寄生プレイ』とかは出来ないってことか?


「敵への攻撃に防御、他に索敵と看破、味方の支援回復……とにかく、戦闘行動をしていないとダメさ」

 なるほどな。

 ゴブリンキングのステータスをさらっていた時、ヴェルトラムはひたすら周りのゴブリンを叩いてくれていた。その際の経験値も分配されているのか。



「わかった。んじゃあ次、経験値2倍でレベル10って妥当なのか?」

 橋での焼却にヴェルトラムの露払い、ゴブリンキングまで屠ってレベル10はどうなんだ?

 今までのゲーム経験から言うと、レベル10は妥当な気もする。上がり幅でいうと1→10はかなりの物だ。

 ただし今回は『英雄の器』で2倍があった。


 ……正直、もう少し上がっていてもいいんじゃないかと思う。



「それに関しては、ネックになる部分が二つあったのさ」

「……うん?」

 ブイサイン——二つを表す形——をこちらに向けながら、ヴェルトラムが答えてくれた。だがこちらにはイマイチこう、ピンとこない。

 次の説明を待つが……対面の幼女は朝食を平らげることを優先したらしい。


 残ったフレンチトーストを口に放り込み、存分に味わっている。そしてミルクに砂糖マシマシのコーヒーを一口。


 ヴェルトラムがその筋の紳士の皆様なら放っておけない、満足げな表情を見せて朝食を終えた。

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