デバッカー
「とにかく
『
そう指示している最中にも
報告通りにポイントBの――監視地点の近くで引っくり返っている。どうみても
適当なところへ
「ど、どうするんです!? あっ! 百十九番!」
「百十九番じゃ間に合いそうにねぇ。ここからでも息してないって判る。ありゃ心肺停止状態ってやつだろうな」
「なら
「それより良い物を持ってる」
「なら、それを使って下さいよ、
完全に
だが、それを咎める気にはならなかった。むしろ、まだ心が柔らかく優しい証拠と思えたほどだ。
……できる限りに早くに――まだ真面な内に手を引かさせるべきか。
そんな横事を思いながら、栄養剤のような小瓶を睨む。どうして飲み薬なんだ? 普通に考えたら注射器だろう! 絶対、患者は飲めないのに!
しかし、いまは文句をいってる場合じゃない。覚悟を決めるべき瞬間だ。
「飲み物……ですか? そんなもの……どうするんです?」
「どうする? ふふふ……こうするんだよ!」
意を決し『
ZkyuuuuNと
「ふ、不潔です、
Kissとかいうな! これは医療行為だし、やりたくてやったんでもねぇ!
しかし、似たような誤解をする者は、他にもいた!
「き、貴様は、この前のホモ仮面!
振り返れば
「人聞きの悪いことを口走るんじゃねぇ! それに誰がホモか!」
「……男の人と男の人が、男の人を取り合って!? い、いけないと思います、そういうの!」
ちょっと
「うおおおっ! 俺はッ!
……しんどくなってきた。なぜ俺は、こんな目に? 前世で余程の悪業でも積んじゃったのか?
「手当は終わった。いつでもいい。『忍者玉』を投げ込んでくれ。撤収する」
小声で
ゆらーっと起き上がった
拙い! あの『蒼い紐』を本体で受けたら面倒臭いことになる!
慌ててノノベリティを出現させて防ぐも……霊体の右手へ巻きつかれてしまった。
「変な老人と船賃で揉めてたんだ。それで、どうしようかと悩んでたら……あんたが……あんたが助けてくれたんだよな?」
なぜか
「この不思議な力……目が覚めたら、自然と使えるようになっていた。
「貴様には聞きたいことが沢山あるんだ! いまここで、なにもかもを喋って貰うからな! まずは所属と名前から――」
すぐさまノノベリティを解除し、『蒼い紐』の拘束を解く。……生身を捕らえられてたら、それで詰むところだった。
「名前か……そうだな『
だが、今夜は俺なんかより……『赤き豹』を――友人を優先しろ。
実のところ相当に危うい状態なんだぞ、お友達は? まだ間に合ううちに、お前らの手で正気へ戻してやるといい」
忠告がてらに念を押しつつ、充満した煙に紛れて退散した。……今度こそ、
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