第81話『先導者となれ 3』

 エイチフェス2021全体衣装のデザインについて話し合っていた、Joyfulenceの4人。


桃莉「あ、そうだ!いいこと思いついた!」


凛果「何?」


桃莉「スカートのデザインは、それぞれに考えてもらうってのは?任されたのはたしかに私たちだけど、私たちだけで考えろとは言われてないし。」


奈々「……ふむ?」


桃莉「それぞれに合ったスカートって、やっぱり、その人たちが一番よく分かってると思うんだよ。」


凛果「たしかにそうだね。客観的な私たちが考えるより、ピッタリな案が出るかも。」


千翼「たしかにねぇ?私たちだけじゃ、可愛い系の方向性の分け方とか、難しいもんね。」


奈々「たしかに。」


凛果「Joyfulenceとオプティミズム♪、HONEY*SCENTと#Sweets Angelスイーツエンジェルとか。確かに違うユニットなんだけど、じゃあどこがどう違うのか、私たちからの視点だけじゃ、説明しきれないね。」


千翼「よし、じゃあ早速、きいてみよう!」


千翼が立ち上がる。


奈々「えっ、どこに行くの?」


千翼「ききに行くんだよ!どんなスカートがいいか!」


桃莉「え、この便利な世の中に、足でききに行くの?」


凛果「うん、行こう!直接会って、話を聞こう!」


奈々「凛果ちゃんが千翼ちゃん側に立っちゃったら、もうこちらに勝ちの見込みはございません。」


桃莉「行くかぁ……!」


奈々「って言っても、どこに?」


千翼「……」


凛果「たしかに。」


千翼「……さすがに会うのは無理か。」


奈々「早い!」


桃莉「珍しく堅実!」


千翼「『珍しく』とはなんだね!」


凛果「にもかくにも……最初の頃に謎に作られたエイチフェス2021のグループLINEを使うときじゃない?便利な世の中だよ。」


桃莉「そうだねぇ。グループLINEに、各ユニットのスカート案、おなしゃーすっ!って言ってね。」


奈々「い、今さらだけど、そんな感じでいいのかな……。私たちが任されたのに、その、ちょっと……人任せっていう感じ、しないかな。」


凛果「けど、やっぱり一番合うスカートが思いつくのは、本人だと思わない?」


奈々「それは、そうなんだよねぇ……。うん、そうだとは思うんだよ。」


凛果「エイチフェス2021を、先導者として引っ張っていくのが、私たちの役目。みんなの力を借りて成立するセンターがいても、いいと思う。なんだか、アイドルっぽい!」


千翼「たしかに!」


桃莉「あとさぁ、これを機に、これまで喋ったことのない、他のユニットの皆とも話せたらいいな。」


奈々「そうだね……!」


凛果「よし、じゃあLINE送ってみるね〜」

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