第79話『先導者となれ 1』
夏休みも明け、学生のアイドルたちには、また学業とアイドル業両立の日々が戻ってきた。私は
「おはようございます。」
Joyfulence「「おはようございます!」」
「オフの日にすみません。」
「ありがとうございます。」
「はい。早速本題ですが……Joyfulenceの皆さんに、HiH IDOL FESTIVAL 2021の全体衣装をデザインしていただけませんか。」
「はい。エイチフェスでは毎年、全員でお揃いの衣装を着て、全員曲を歌唱しています。」
「はい。」
凛果「なんで私たちなんですか?」
「衣装さんや私などで話し合い、決めました。Joyfulenceが、エイチフェス2021のセンターに
千翼「せ、センター……?」
「ボナンサ風之江プラザ開店記念イベント後の、目を見張る飛躍っぷり。ファンの心を掴んで離さない、パフォーマンス
凛果「でも、歌もダンスも、私たちは一番じゃないと思います。」
「アイドルは、団体戦です。」
桃莉「……おぉ。」
「なんですか?」
桃莉「いや。熱くて、圧倒されちゃった。」
凛果「私たち、あれ以来すごく忙しくなって、最近やっと慣れてきた頃なんです。その衣装の件で、またさらに忙しくなって、結果、ひとつひとつが全力でいかなくなったりしたら……」
桃莉「凛果ちゃん、意外と現実主義だよね。」
凛果「うん。だって、絶対に失敗したくないもん。」
奈々「わ、私も、不安だよ。私たちなんかに勤まるのかな。他の事務所の人たちのこととか、あんまり知らないし。」
千翼「凛果ちゃん、奈々ちゃん。やる前から怯えてどうするの。やってみようよ!私たちなら大丈夫だよ!だって、4人もいるんだから!」
桃莉「そだよ。なんと言っても、Joyfulenceだからね?割とみんな、洋服のセンスとかあるし。あと、来たチャンスは逃したくないよ。」
凛果「……そうだね。やってみよっか、奈々ちゃん。」
奈々「……うん!期待されてるんだもんね。」
千翼「そうだよ!」
凛果「……やっぱり、みんなの笑顔は最強だなぁ。無敵だって思えちゃう。」
桃莉「へへへ」
「やっていただけますか。」
凛果「……はい。やるからには、最高のものを提案します。任せてください!」
「ありがとうございます。」
Joyfulenceはいつもどこか冷静だ。両立の立場が、常に自分の意見を持ち、話し合う。でも結局は、明るい方を選ぶ。楽しい方を選ぶ。彼女たちは、アイドルだ。
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