第48話『追懐 1』
私は毎日、地獄へ登校していた。もういっそのこと、私が自ら消えてしまいたかった。でも、お母さんとお父さんを悲しませたくなかったし、私には、自分で自分の首を
5年前の梅雨明け頃、それは突然やってきた。口の中から入り込み、声帯を引き裂き、胃を破壊し、身体中を
女子校って、いじめとか多そうなイメージ。でも実際は、むしろ共学よりもずっとずっと平和で。だって、恋のいざこざとか無いし、女しかいないから恥とかないし、ありのままの自分をさらけ出しても、みんなが受け入れてくれるから。しかしもちろん、例外がいた。自分のありのままをさらけ出して愛してもらうことを選ばなかった人たちが。自分を大きく強く見せないと、心を保てない、悲しい人たちが。
「
私は今日も彼女たちの奴隷。返事もせずに従う。だって仕方がないじゃない。選ばれたんだもの。これを乗り越えれば、いつか何か良いことが待ってるのかな。そうでなければ、私は何のために生きているんだろう。体育祭前の設営。女子しかいないんだから、女子で全部やるんだよ。テント張りも、椅子出しも。太陽が私を照りつける。このまま、汗を流し続ければ、私は太陽に殺されることができるだろうか。重いな。腕が痛くなってきた。4脚も一気に持つんじゃなかった。なんだかこの辺は、やけに人が少ないな。静かだ。女の声が聞こえない。甲高い、悪意に満ちた声が。私、こんな中学校生活が送りたかったのかな。まぁ、これでいいや。仕方ないもんね。私じゃなければ、他の誰かがここに立っている。だったら私でいいや。マリア様みたいなもんでしょ。神様が、私に人より大きな試練を与えた。何か意味があるのよね。私は、選ばれた人なのよね。
「ねぇ、大丈夫?重たそうだね。手伝おうか?」
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