『飴と雨とあじさい』

 あやの一件以来、3人での仕事を精力的に行い、再びアイドルりょくと絆を深め始めたCandy Rainキャンディーレイン


笑海えみ「雨だねぇ。」


まい「はい。」


綾「髪の毛がまとまらなくて、困るわぁ。」


今日の仕事は終了し、ボーカルレッスンに向かっているところだ。


笑海「なんか雨ってさぁ、こう……落ち着くよねぇ。」


綾「あー、たしかに、落ち着くっちゃ落ち着くかも。よく言えば。」


笑海「そうそう。悪く言えば、気分が上がらない。」


苺「言われてみれば、考え事とか悩み事、雨の日はいつもより考え込んでしまいます。」


笑海「分かる分かる~」


綾「アンニュイになっちゃうよねぇ」


苺「でも、悩み事は1つ無くなりました。」


綾「ふふっ、うん、私も。」


笑海「やっぱり、3人でいるとさぁ、なんか、幸せだなぁと思っちゃう。これまでは、家族といる時が一番だって思ってたけど、こっち来て、一人暮らし始めて、ひとりってのを知ってさ……うん、仲間がいるっていいなって思った。」


綾「ふふっ」


苺「んふふ」


笑海「何さぁ!」


綾「いやぁ、雨の日のテンションだなぁ、と思って。」


笑海「……あ、ほら、見て、あじさい。」


綾「照れちゃって~」


苺「私も、3人でいる時間、大好きです。これからもずっと一緒がいいです。」


綾「やだぁ」


笑海「も~、可愛いなぁ苺ちゃんは!」


綾「Candy Rainの愛しき末っ子ちゃん♡」


笑海「綾さんもそういうの言ってよ。」


綾「えー?なんで?」


笑海「雨だから。雨の日はあたり前に感謝する日なの。」


綾「そうなの?初めて聞いたよ?」


苺「たった今、笑海さんが決めたんです。」


綾「そんな権限がおありなのね!」


笑海「おありだよ!」


綾「んふふ……。じゃあ、Candy Rainって……とっても、いいユニットだよね。楽しいことも共有できるし、辛いことも、多分たくさん共有できる。事務所の意向で偶然巡り会った3人だけど、なんだか、必然みたいな気がするな。……ってやだ!恥ずかしい~!!」


笑海「あはは、よし、あいこあいこ。」


苺「あ、そういえば、あじさい綺麗でしたね。写真撮りたいです。」


笑海「たしかにたしかに、戻ろう!」


綾「そうね!ふふふ♪」


今日のどんより空とは全く反対に、Candy Rainの未来は明るく輝いている。

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