第27話『私たち、喧嘩してました。 6』
翌日。カフェ。
千翼「改めまして、
千翼「山梨さんだなんて!千翼の方で呼んでほしいけど……今はそんなことより。2人は、今ちょっと上手くいってないんだよね?」
遥「……」
千翼「萌美ちゃんね、すごく気にしてるよ。本当は、2人が話し合う機会を
佳子「それで……千翼さんが……?」
千翼「うん。あんまり2人のことを知らないからこそ、冷静に見ていられるかなぁって。私は、2人の関係や#Sweets Angelのこれからに口出しをするつもりは無いよ。私にいなくなってほしければ、そう言ってくれたらもちろん言われた通りにするし。2人きりが話しやすければ。」
遥「……え、と……」
千翼「知っててほしいのはね、萌美ちゃんがストレスに弱いってこと。あんまり……泣かせないでほしいな。ごめんね、私の、個人的なお願い。」
佳子「……」
千翼「それじゃ、私やっぱり出るね。何か困ったら連絡して。」
千翼が席を立ち、いなくなる。
佳子「……あの……ごめんなさい。」
遥「うん……ごめん。私も。……正直、ちょっと意地張ってた、最近は。佳子ちゃんから謝ってほしいとか、そんなくだらないこと、考えてた。」
佳子「……私もです。」
遥「謝りたいとも、思ってた。けど……こうやって2人にならないと無理って。なのに、2人になるのは、避けてた。馬鹿だよねぇ、私。」
佳子「いいえ、違います、ごめんなさい」
遥「あっ、違う、そういう意味じゃないの。私、馬鹿だよ。それに甘えてたんだ。芸能界なら馬鹿も個性の1つになるって。諦めてたんだ、考えて、理解すること。でも佳子ちゃんにハッキリ言われて、目が覚めた。単なる馬鹿が個性になるわけないよね。私は本当に、甘えてただけ。」
佳子「……私、#Sweets Angelで絶対に成功したいんです。アイドル事務所のオーディション、たくさん受けました。スマイリーも、ブリリアントも、ラブリーオフィスも受けました。でも、全部落ちた。これが、やっと掴んだチャンスなんです。」
佳子は潤む瞳で遥を見つめ、そう訴えた。
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