第28話『私たち、喧嘩してました。 終』

 佳子かこが熱い想いを遥にぶつける。


佳子「……私、#Sweets Angelスイーツエンジェルで絶対に成功したいんです。アイドル事務所のオーディション、たくさん受けました。スマイリーも、ブリリアントも、ラブリーオフィスも受けました。でも、全部落ちた。これが、やっと掴んだチャンスなんです。」


はる「うん……ごめん」


遥の頬を涙がつたう。


佳子「遥ちゃんと萌美めぐみちゃんと、3人で成功したいんです。」


遥「うん……!佳子ちゃん……ハッキリ言ってくれて、ありがとう。ごめんね。佳子ちゃんに言われてから、知らない言葉は調べるようにしてるんだ。佳子ちゃんのおかげだよ。」


佳子「……酷いこと言って、本当にごめんなさい。」


佳子が自分の涙を拭う。そして、遥に手を差し出した。


佳子「仲直りの、握手です!」


遥がその手をぎゅっと握りしめた。


遥「うん……!私、もう佳子ちゃんのことガッカリさせない。萌美ちゃんのこと、私たちが守らなきゃだから。」


佳子「はい、そうですよね……一緒に、萌美ちゃんに謝ってくれませんか。」


遥「うん。私も、ひとりじゃ怖い。誰かを傷付けるって……怖いね。」


佳子「……」


その時、カフェに萌美が入ってきた。


萌美「あっ……!」


2人に駆け寄る萌美。


萌美「……ごめん。私も、自分の苦手なことから逃げちゃった。私だって変わらなきゃ。」


萌美が震える手を握りしめ、2人を見つめる。


佳子「萌美ちゃん……ごめんなさい。」


遥「ごめん、萌美ちゃん。」


萌美「……もう、大丈夫なの?」


佳子「はい。たった今、仲直りしました。」


遥「私、頑張る。精一杯やる。2人と……萌美ちゃんと佳子ちゃんと、輝きたい!」


遥が佳子の手を握っていない方の手を萌美に差し出す。萌美はそっとその手を握った。そして、佳子と萌美も手を取り合った。


萌美「#Sweets Angel、再スタートするよ……!」


佳子「はい!」


遥「うん!」


3人は見つめ合って、うなずき合った。


萌美「……えっと、それじゃあまずは、3人でお昼ごはん食べよ。私も座っていい?」


佳子「はい。」


佳子がメニューを開く。


遥「私、オムライス食べたい!」


萌美「私は、うーん、ハヤシライスにしようかなぁ。」


遥「佳子ちゃんは?」


佳子「そうですねぇ……あ、ナポリタンにします!」


このあと、3人での食事を楽しんだ#Sweets Angel。佳子と遥は2人で話したことを萌美にも話し、3人はこれからの#Sweets Angelについて語り合った。


 後日、#Sweet Angelは雑誌の取材で、喧嘩をしていたことと、仲直りをしたことを話した。


萌美「#Sweet Angelはもう立ち止まりません。」


遥「これからは3人で手を繋いで走っていくんだから!」


佳子「いっちばん可愛いアイドルになってみせます!」

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