第2話『Candy Rain』

 今日はCandy Rainキャンディーレインの雑誌インタビューに付き添う。Candy Rainはあやさんが元モデルということもあり、最近、少しずつ人気が出てきている。来週にはエイチフェスの出演者も発表されて、より一層、注目度が高まることだろう。


まい「い、インタビューなんて初めてで、緊張します。」


綾「大丈夫だよ~。苺ちゃんが思ったことを素直に口に出せばいいの。」


笑海えみ「それがなかなか難しいんだよねぇ」


「落ち着いて、いつも通りのCandy Rainでいきましょう。」


苺「はい……!」


最年少の苺さんはダンスの才能に長けている反面、人と話すのはあまり得意ではない様子。


記者「お揃いでしたか、すみません。」


綾「いえ!」


記者「それでは、よろしくお願いします。」


Candy Rain「よろしくお願いします。」


記者「最近、じわじわと人気が出てきていますね。」


笑海「そうですねぇ」


綾「自分たちのことながら、感じてはいます。」


苺「はい。」


綾「苺ちゃんは高校生だから、学校でも変化があるんじゃない?」


記者「あ、そうですね!現役高校生アイドル。学校の友達や先生にも、アイドルをしているということは認知されているんですか?」


苺「そうですね……Joyfulenceジョイフルエンス凛果りんか先輩も同じ高校で、2人で話していると、その……少し、注目を浴びることはあります。」


記者「そうなんですね。」


笑海「サインちょうだい!とかはまだ無いかぁ」


苺「そうですね……あっ、でも、この間、数学のプリントを提出しに行った時に、先生がこのプリントは大事に取っておかないとって、おっしゃってて、なんだかこそばゆかったです。」


記者「ほー!」


お姉さん2人がしっかりサポートしている感じだ。Candy Rainも心配はいらなそう。


記者「明良めいらさんは元モデルということで、今回の雑誌の撮影でもその実力を発揮してくださいましたね。」


綾「ふふ、ありがとうございます。モデル業も大切にしたいです。私の原点なので。もちろん、アイドルもすっごく楽しいです!アイドルになるのも私の夢だったので。」


記者「そうなんですね。」


笑海「写真を撮られてる時の綾さんは、普段のちょっぴりポンコツなところが嘘みたいに綺麗なんですよねぇー!」


綾「ポンコツって言わないでよ~」


記者「ポンコツ、なんですか?」


笑海「ちょっぴりポンコツさんですねぇ。この間なんて、ダンスレッスンとボーカルレッスンを間違っちゃって、1人でダンススタジオにジャージ着て待ってたみたいで。本当にダンスレッスンだったHONEY*SCENTハニーセントと遭遇してましたよ!」


綾「HONEY*SCENTが来て気付いたんですよ~!」


記者「ははは!」


苺「ダンスレッスンでジャージを忘れちゃったわけじゃなくてよかったです。」


綾「そうだよね~!優しいなぁ苺ちゃんは!」


インタビューは和気あいあいと進んだ。Candy Rainもしっかりバランスが取れている。何より、インタビューでも飾らない姿は堂々としていて、立派だった。

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