『桃莉ちゃん、お誕生日おめでとう!』

 稜石りょうせき高等学校2年1組。


奈々なな「ふふふ、桃莉とうりちゃん桃莉ちゃん。」


桃莉「なぁに」


奈々「栖川すがわくんからプレゼントだって。」


桃莉「えー、やだよ」


栖川「なんでだよ!受け取れ!」


桃莉「だってどうせびっくり箱とかだもん。」


栖川「……」


奈々「……」


桃莉「え、バレないと思ったの?バレまくりだからね?」


奈々「せっかく栖川くんが大好きな桃莉ちゃんに」


栖川「好きとかじゃないですけど?」


桃莉「こっちからも願い下げですー!」


奈々「あはは」


栖川「ま、誕生日はおめでとうな。いい一年にしろよ。」


桃莉「え……」


奈々「なんか、アイドルりょくを見せつけられたね……」


桃莉「Liberalisリベラリス、恐るべし。」


栖川「うるせぇ売れっ子!」


奈々「いやぁ、どうも~」


桃莉「明日はJoyfulenceジョイフルエンスは仕事だから遅刻してきます。」


栖川「自慢やめろー!」


 学校が終わり、ダンススタジオに入ると、千翼が飛び出してきた。


千翼ちひろ「桃莉ちゃん!お誕生日おめでとう!!」


凛果りんか「おめでとう~!!」


桃莉「えっ、あ、あ……ありがとう。」


千翼「誕生日プレゼントだよ!」


桃莉「え!これ、私の好きなキャラ。知ってたの?」


千翼「うん!凛果ちゃんが教えてくれたよ!」


凛果「カバンについてるから。私からはこれです、どうぞ!」


桃莉「ありがとうございます。えっ、オシャレな水筒!」


凛果「壊れたって言ってたから。」


奈々「よく見てるねぇ……。はい、桃莉ちゃん、私からはこれです!」


桃莉「うわー!すごい!可愛い!」


手作りのぬいぐるみ。


桃莉「あれ……この子のしっぽ、バナナじゃ……」


奈々「ふふっ、気付いた?バナナ、好きでしょ?」


桃莉「いやいやそれあなたね」


千翼「すごいね奈々ちゃん!」


凛果「ね!すごい器用!」


奈々「えへへ、手芸とか好きなんだ。」


桃莉「一時期、バナナのぬいぐるみを量産してたもんね。」


凛果「それはちょっと猟奇的りょうきてき。」


千翼「あはは!」


凛果「ね、今日さ、レッスンのあと、4人でごはん食べない?桃莉ちゃんのお誕生日祝い!」


千翼「いいね!3人で割り勘だ!」


奈々「いいねぇ」


桃莉「えっ、いいんですかそんな……ありがたき幸せ。あ、けど早く帰って弟からの誕プレも受け取らねば。」


凛果「あはは、そんなに遅くはならないよ。」


千翼「姉弟仲良しで素晴らしいね!」


奈々「ちょっと一方的なところも……」


桃莉「え?何が?裕莉ゆうりも私のこと大好きだけど?」


桃莉ちゃん、お誕生日おめでとう!これからもJoyfulenceの仲間として、共に邁進まいしんしていこうね!

桃莉ちゃん、お誕生日おめでとう!!素敵な一年になりますように!!

桃莉ちゃん、お誕生日おめでとう!いつも面白い桃莉ちゃんが大好きだよ!アイドルとしても、よろしくね!

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