第1話『Joyfulence』
今日は
「お疲れ様です!」
「そうだったんですね。ちょうどよかったです。差し入れを持ってきました。」
Joyfulenceは結成からまだ1年にも満たない新しいユニット。マネージャー任命の数日前に渡された資料に書いてあった情報だ。
凛果「ほら、ちゃんと汗を拭かないと。」
桃莉「ん~」
凛果さんが桃莉さんの汗を拭く。
奈々「すみませんねぇ、うちの桃莉が。」
凛果「あはは」
千翼「桃莉ちゃんと奈々ちゃんは本当に仲がいいよね!」
「そうですね。中学校から一緒でしたっけ?」
桃莉「うん。」
凛果「奈々ちゃんの控えめさを、桃莉ちゃんの奔放さをお互いにカバーし合ってる感じだよね~。」
桃莉「奈々は『控えめ』なのに私は『奔放』!?失礼じゃない!?」
凛果「あはは、ごめんごめん」
千翼「じゃあ……『裏表がない』とかどうかな!」
桃莉「……悪くないねぇ」
奈々「ニヤニヤしないのぉ~」
Joyfulenceは仲が良さげで、人間関係は心配なさそうだ。
「あ、差し入れはゼリー飲料です。どうぞ。」
千翼「おー!これ好きだよ!ありがとう!」
凛果「やったやったー!ありがとうございます!」
「Joyfulenceの皆さんは、仲も良くてハキハキ明るくて、各キャラも立っていて、とても良いですね。」
桃莉「うん、みんな優しくて、やりやすい。」
凛果「ねー!」
でも、まだアイドルとしては半人前ってところかな。事務所はどうしてこの4人を今年のエイチフェスに出そうと思ったんだろう。
ダンス講師「レッスン再開するわよ~」
Joyfulence「はい!」
少しレッスンの様子を見学させてもらおう。
ダンス講師「千翼、指先まで意識して!」
千翼「はい!」
ダンス講師「奈々、自信持って、前向きなさい!」
奈々「はい……!」
ダンス講師「OK。だいぶ良くなってきてるわ。」
凛果「あの、間奏の私と大場の立ち位置、逆にしてみてもいいですか?」
千翼「あ、私もそれは思った。」
桃莉「なんで?」
奈々「身長的に……?その方が、バランスが取れる、かも。」
凛果「そう思う。」
奈々「で、でも、私が前で……大丈夫かな。」
桃莉「奈々はもっと自信持った方がいいよ。」
千翼「自信を持つのが上手く見える鍵かもしれないね!」
凛果「うん!直前で私が下がるから、奈々ちゃんが前に上がってきてみて。どうですか?」
ダンス講師「そうね、それでやってみて。」
Joyfulence「はい!」
……あぁ、そうか。こういうところかもしれない。Joyfulenceはただ「仲良し」なだけじゃないんだ。
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