番外編 お姉ちゃんたちの再びの戯れ
A●騒動から一週間が経った本日。
『——ごめんね小絃お姉ちゃん。この間行けなかったお買い物、今から紬希ちゃんと行ってくるね。お姉ちゃん用のお洋服、いっぱい買ってくるからお土産楽しみにしておいて』
『……あや子ちゃん。一応反省はしたみたいだからわかってるとは思うけど。この前みたいに小絃さんに迷惑かけちゃダメなんだからね。小絃さん、もしもあや子ちゃんが変な事し始めたら連絡してください』
私のかわいい従姉妹の琴ちゃんと……また遊びに来てくれた紬希さん(+
そして前回同様家に残った私とあや子はと言うと……
「——アホあや子!貴様のせいで、大変な目に遭ったんだぞ責任取れ!」
「やかましいわバカ小絃!元はと言えば、おかしなあんたがおかしな事を言い出したのが悪いんでしょうが!」
ギャーギャーと、今日も今日とて顔を合わせれば即取っ組み合いの喧嘩に入る。こいつめ……あんだけの事をしておいて、よくおめおめと私の前にやってこれたな……!
「小絃のせいでほんとにあの日は地獄だったのよ!?紬希に隠してたA●の存在がバレるわ、その事で紬希を怒らせてしまって5時間正座で説教させられる羽目になるわ……!お陰でしばらく脚の感覚戻んなかったし紬希から冷たい視線を浴びせられる羽目になったんだからね!」
「知るかアホ!そもそもそんなもん隠してたあや子が悪いんでしょうが!つーかそんなもの地獄でも何でもないでしょ!そのお陰で説教の後に紬希さんと仲直りコスプレプレイが出来たんだし!」
「ちょ……待て、何故それを知っている……!?」
貴様のお嫁さんが『小絃さん、あや子ちゃんの奇行に巻き込んでしまって本当にごめんなさい』って律儀に謝罪してくれた時に、ついでに惚気混じりにご報告してくれたからだよ!
くそぅ……一人だけちゃっかり良い思いしやがって……紬希さんとイチャイチャする口実をくれてやったわけだし、あや子には感謝してほしいくらいだわ!
「それを言うなら私の方が地獄だったんだからね!あの後貴様に買わされた●Vを琴ちゃんと一緒に鑑賞させられて、その後琴ちゃんに実践まがいの事いっぱいさせられてさぁ!」
「あぁん!?それのどこが地獄よ。あんたにとっては天国でしょうに!」
何も知らないあや子は、無責任にそんな事を言う。天国だぁ……!?ふっざけんなよ……!
「私に取っては、生き地獄だったんだよ!!!」
悪友に対し、腹の底から絶叫する。
「こちとら琴ちゃんのお姉ちゃんって重大な立場があんだよ!手を出したら色々終わるんだよ!そうならないように、自分の中のなけなしの理性総動員してどうにか耐えてたの!それなのに……そんな私の気持ちを知った上で、琴ちゃんは無邪気に私誘惑するわひっつくわ……挙げ句あんな……あんな……!」
あんな、気持ちいい事してくるなんて……!あれじゃあ私の身が持たないわ!精神すり切れるわ!ちょっと理性ぷっつんしたら、琴ちゃん押し倒したくなるわ……!
「そんな天国のようで地獄の時間を、琴ちゃんに延々と続けられて私死ぬかと思ったんだからね!?生き地獄にも程があるでしょが!?」
「うっさい!そんなの見苦しくて無駄な抵抗をしてるあんたが悪いだけでしょが!どーせあんたは遅かれ早かれ琴ちゃんの嫁という名のヒモになる運命なんだし、とっとと観念して結ばれて。そして琴ちゃん悦ばせれば良いだけの話でしょうが!!!」
「お、おま……!?見苦しい無駄な抵抗とはなんじゃい!?つーかヒモになる運命だとぉ……!言って良いことと悪いことの区別も付かんのか貴様は……!?紬希さんの尻に敷かれてるロリコンの分際で調子に乗るんじゃないよ!!!」
ええい、もう我慢ならん……今日という今日こそ、このアホと決着付けてやろうじゃない……!
「あや子ぉおおおおおおおお!!!」
「小絃ぉおおおおおおおおお!!!」
互いに拳を強く握りしめ、そして互いに向かってその拳を突き出し。そして……
~お姉ちゃんたち喧嘩中:しばらくお待ちください~
「…………ぜぇ、ぜぇ……ね、ねえあや子……一旦……休戦しない……?」
「…………はぁ、はぁ……賛成……ふ、不毛だわ……」
そして30分後。ひとしきり二人で暴れた後、ぐったり床に寝そべっていた私たち。……ただでさえまだまだ体力戻りきってないのに……こんなアホの為に貴重な体力使うの無駄すぎるよね……毎度の事ながら反省しなきゃ……
「……ねえ、あや子」
「……何よ小絃」
「ぶっちゃけた話……どうだったの?念願だった愛らしい服着て貰って……紬希さんといちゃラブしたんでしょ?ホントは……すっごい良かったんじゃないの?」
「そういう小絃こそどうなのよ。琴ちゃんとのA●鑑賞は。しかもその後いっぱいいろいろとえろえろな事したんでしょ?正直に言いなさい、何だかんだ楽しんだんじゃないの?」
二人床に寝転びながら、互いに先週の感想を問い合う。どうなのかって……そんなのさぁ……
「「…………最高、だった」」
口をそろえて私たちはそう告白する。いや……ホント。琴ちゃんの手前、恥ずかしいからあんまり大きな声では言えなかったんだけど……
「何だかんだ、凄い良かったわ……琴ちゃん……平静な顔してA●見てたけど……抱っこされて一緒に見てたからわかるの……背中越しに琴ちゃんの鼓動が感じられて……熱も上がっていって……琴ちゃん特有の、甘い香りがいつも以上に強くなっていってさ。琴ちゃんも、●V見ながら興奮してるの……私わかっちゃったんだ。興奮して艶美な色気を纏う琴ちゃんの姿。愛しい……ずっと大切にしてきた小さな従姉妹がいつの間にか大人になった証拠みたいで。それがすっごい背徳感あって……A●見てる以上に私も興奮してさぁ……」
「紬希もね……お説教中は『こんな服わざわざ買って、私に着せようとするとか何が楽しいのかわかんない!バカなんですかあや子ちゃんは!』って言ってたのに……お説教後に『……言い過ぎた、ごめんあや子ちゃん』って言って……その服をわざわざ来てくれて夜這いしかけてくれてさぁ。『…………あ、あや子ちゃん……こ、これで……満足……?』って顔を真っ赤にしながら聞いてくるのよ。愛おしすぎてたまんないわマジで……」
嫁の居ぬ間の惚気合戦。お互いに開き直って先週の出来事を反芻し合い語り合う。こういうのは琴ちゃんとか紬希さんには恥ずかしくて(あと、下手に刺激すると襲われそうで)中々言えないんだよね。
いやぁ、本当に——
「「本当に、最高だよね琴ちゃん(紬希)って!!」」
「……ん?」
「……あ?」
…………おや?
「……ははは。何を言い出すかと思えばあや子?私も紬希さんの事は素敵だと思うけど……一番はやっぱ私の琴ちゃんの方でしょう?」
「……いやいや小絃?そりゃ確かに琴ちゃんは愛らしいとは思うけど……最高なのはどう考えてもうちの嫁の方よね?」
ほほぅ……面白い事言うじゃないかあや子は。
「琴ちゃん凄いんだよ?あっという間に子どもから大人に成長して……大人な色気ムンムンで。私を攻める時とかグイグイリードしてくれてさ。耳元で『小絃お姉ちゃん……』って囁くのめちゃくちゃゾクゾクするんだよ」
「紬希の方が凄いわ。あの歳でちっちゃくて可愛いい奇跡の体型をしてて……勿論外見だけじゃなくて中身も愛らしくて。あのミニマムな身体でドチャクソプリティな服着て……私の腕の中で『あや子ちゃん……優しく、して……』って上目遣いで甘えるのめちゃくちゃ興奮すんのよね」
「「…………」」
つい先ほどまでにこやかに語り合っていた私たちなんだけど。一瞬のうちに臨戦態勢に突入する。聞き捨てならんなぁ?
「琴ちゃんが最高だってわかんないかなこのアホは!琴ちゃんほど大人な衣装が似合う人、他にいないってのに!」
「それがどうしたって言うの!あんたというバカこそうちの紬希こそ至高だって理解出来ないのかしらね!うちの嫁ほどキュートな衣装が似合う子はいないのよ!」
「「…………ッ!」」
にらみ合い、そして胸ぐらをつかみ合い。互いの主張を押しつけ合う。
「このロリコンの分からず屋が!だったら勝負してやろうじゃないか!どっちの好きな人がより素晴らしいかをさぁ!」
「誰がロリコンよこの変態が!良いわ、その勝負乗った!私勝てる勝負は受けて立つ性分だから!」
言ってくれる……!なら勝負だ勝負……!うちの琴ちゃんが負けるはずなんてないんだからね……!
「で、肝心の勝負方法はどうする?」
「……そうね。今回はどっちの嫁が「待てあや子。まだ琴ちゃんは私の嫁というわけでは……」素晴らしいかって話だったわけだし『お互いに自分の嫁に合う最高の服を選んで、審査し合う』ってのはどうよ」
「乗った……!」
そういう勝負なら、世界一美人で素敵な琴ちゃんが負ける要素など一切無い。ふふん、戦う前から勝ったわこれ……!
「見てなさいロリコン……!『思わず踏まれたくなる、大人の色気ムンムンな女王様風ボンテージ』を着た琴ちゃんを見て、度肝抜かせてやるんだから……!」
「……ほうほう。これ、私が着るんだねお姉ちゃん」
「その通り!さあ琴ちゃん、これ着てあのアホをぎゃふんと言わせて頂戴!」
「待ってなさいよ変態……!『思わずなめ回したくなる、ちっちゃな魅力溢れる園児服』を着たうちの紬希を見て、参りましたごめんなさいって言わせてやるんだから……!」
「……そう。でもねあや子ちゃん。自分のお嫁さんがあまりにアレ過ぎて……ごめんなさいって、私の方が言いたくなってきたんだけど?」
「大丈夫、安心しなさい紬希!世界一似合うから!コレであのバカを唸らせるのよ!」
私はベッド下のヒミツ衣装ケースから。あや子は持ってきていたリュックの中からお目当ての衣装を取り出して。そしてその衣装を後ろに居た二人にパスする私とあや子。
さあ、役者も揃った事だし……いざ尋常に…………勝負、を……
「「…………あれ?」」
「なるほど……お姉ちゃん、こういうのも趣味だったんだ」
「…………あや子ちゃん。なんて物持ち歩いてるんですか貴女は。なんて物を小絃さんに見せつけているんですか貴女は」
…………あ、なんかコレ……凄くデジャヴ……先週も同じような事、あったような気が……
「こ、こここ……琴、ちゃん……!?」
「んー……SMかぁ……私としては、お姉ちゃん傷つけるのは……プレイであっても不本意ではあるんだけど……」
「あ、あの……聞いて!これは違うくて……に、似合うとは思っているけど……別に私SMをしたいとまでは一言も——」
「でも、うん♪新鮮で良いかも!お姉ちゃんが望むなら……大丈夫、私頑張るからね!」
「何を!?何を頑張るって言うの琴ちゃん!?」
「…………あや子ちゃん。こんな物持ち歩くほど、コスプレ好きなんですね。他の人に見せびらかすほどコスプレが好きなんですね。一周まわって感心したよ私」
「そ、そう……?は、ははは……て、照れるなぁ」
「そんなに園児服が……コスプレプレイが好きなら。良いよあや子ちゃん、今晩付き合ってあげるよ」
「えっ!?良いの!?これ、着てくれるの紬希!?や、やった!棚からぼた餅——」
「うん、良いよ。してあげる——勿論、あや子ちゃんにコレ着せて、プレイしてあげる」
「…………え」
……この後。琴ちゃんの宣言通り私は……琴ちゃんに色々頑張られて新しい琴ちゃんの世界を見せられて。
そしてあや子の方は……いつもの意趣返しと言わんばかりに紬希さんに園児服着せられて、写真を撮られて泣かされてました。
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