12話 琴ちゃんのヒミツの性癖

「——ただいま小絃お姉ちゃん、ごめんね待たせて。寂しくなかった?何か困った事はなかった?」

「あ、琴ちゃんお帰り。んーん、全然待たせてなんかないよ」


 母さん&あや子に散々化粧で弄られて、見るも無惨な酷い惨状になった顔を綺麗さっぱり洗ったところで。私の従姉妹で同居人、そして未来のお嫁さん(自称)な琴ちゃんが帰ってきた。


「……ていうか、随分と早かったね?たまってたお仕事するから遅くなるって言ってなかったっけ?」

「えへへ。お姉ちゃん待たせるわけにもいかないから、一ヶ月分の仕事マッハで片付けてきたよ。褒めて♡」

「……い、一ヶ月分の仕事を……たった半日で……?」

「ふふふ……これも愛の力だね。これでしばらくはまた仕事行かなくて良くなったんだ。だから思う存分、これからもお姉ちゃんのお世話をさせて貰うからね!」

「あー……えっと……お、お手柔らかにね……」


 相変わらず愛が重いな琴ちゃんは……いや、まあ。全力で愛されてるってわかるから全然嫌じゃないんだけどね……私の為に無理をしてないかちょっと心配になるわ……


「お義母さん、あや子さん。またお姉ちゃんを見守って貰えて助かりました。ありがとうございます」

「いやいや。こっちこそこのおバカ娘のお守りをして貰えて助かってるわよ琴ちゃん。いつもありがとねー。んじゃ、琴ちゃんも戻った事だし。そろそろあたしたち帰るわね」

「琴ちゃん、お邪魔したわね。あとはごゆっくり。ついでに小絃は琴ちゃんに迷惑かけんじゃないわよ」

「おー、帰れ帰れ。邪魔しかしないならとっとと帰るがいいさ」


 私の面倒を見るどころか、散々ぐーたらした挙げ句。化粧を教えてやるという名目で私の顔で遊びやがった二人は琴ちゃんの帰宅を確認すると共にさっさと家から出て行く。お邪魔したって言うか、邪魔しかしてないよなこいつら……塩でも撒いておこうかな。


「あ、そうだ。ねえ琴ちゃん。一つだけ、頼みがあるんだけど良いかしら?」

「……?どうかしましたか、あや子さん?」


 と、そんなお邪魔虫二人が帰る間際。唐突にあや子が何か思いついた様子でニヤリと悪人面をしながら琴ちゃんにそう言ってきた。

 ……あや子がこんな顔をする時、大抵ろくな事にはならない。マズいと思って有無を言わさず玄関の扉を閉めようとしたけれども……遅かった。


「いや、実はさ……小絃のやつがね。化粧がしたいんだってついさっき言いだしたのよ」

「え……お姉ちゃんが、お化粧を……?」

「ちょ……あ、あや子貴様……ッ!」

「そうなの。こいつ今までお洒落なんかしたことない女として終ってるダメ女だったでしょ?加えて超不器用で知識もゼロだからいざ化粧を始めようにも一人じゃ何も出来ないそうなのよ。見かねて私と小絃ママが化粧教えてやったんだけど、文句ばっかり垂れ流す始末でさぁ。……だからね琴ちゃん。こいつに化粧がなんたるか、琴ちゃんが教えて欲しいの。琴ちゃんの言うことならこいつも聞くだろうから。要件はそれだけよ。そんじゃーねー」


 自分勝手に言いたいことだけ言い残し、あや子はさっさと母さんの後に続いて我が家から出て行く。あ、あのヤロウ……最後まで余計なことをペラペラと……!


「こ、琴ちゃん。あのアホの言うことなんて気にしなくて良いからね?」

「……お姉ちゃん。お化粧したいの?」

「いやその違うの。まあ確かに興味がないわけじゃないけど。でもそんながっつりしたいわけじゃなくて、あくまで遊びの一環で覚えてみるのも良いかもって思っただけであって——」

「……そっか。お化粧を」

「ん……?」


 慌てて言い繕う私を横目に。ついさっきまでニコニコ私に笑顔を見せていた琴ちゃんは一転。陰りのあるアンニュイな(正直メチャクチャ惚れそうになる綺麗な)表情を見せる。おや?なんだろうかこの反応は?


「…………(ボソッ)やっぱりお姉ちゃん、傷……気になってたんだ……うん、そりゃそうだよね……気にしてないって言ってたけど、私を気遣ってくれてただけで……嫌だよね普通……」

「琴ちゃん?どうかしたの……?」


 急な彼女の表情の変化に戸惑う私。もしかしなくても……アレだろうか?


『え?化粧とか何意識しちゃってるのお姉ちゃん?そういうのは綺麗な人がするものなんだよ?』


 ……って感じで、引かれちゃったか?


「あ……えと。んーん。何でもないよお姉ちゃん」

「本当に?大丈夫?ちょっと琴ちゃん落ち込んでるようにも見えたけど……」

「へーき。……それよりも!お化粧がしたいんだよねお姉ちゃん。そういう話なら私に任せて欲しい!」


 一瞬見せた暗い顔は消え去って、琴ちゃんはまたいつもの笑みを私に見せてそんなことを言いだした。


「えっ……あ、いやだから別に良いんだよ?あや子のアホの言うこと真に受けなくても……」

「あー!お姉ちゃん、私を昔のままの私だって思ってるでしょ。そりゃあ昔はお母さんの化粧品を勝手に弄って、そして自分の顔に塗りたくって怒られちゃうような子どもだったけどさ……今は違うんだよ?」


 そう言って琴ちゃんは、成長したお顔を私に至近距離で見せつける。ただでさえ美しい琴ちゃんのそのお顔は、施されたメイクによって更に上品に仕上がっていた。


「どう?見てよ、私の顔を。私ね、これでも社会人としてお化粧もちゃんと出来るようになったんだよ。綺麗でしょ?ね?」

「ちょ……琴ちゃん近い、近いって……!わ、わかってる!琴ちゃんのお顔が綺麗なのはちゃんとわかってるから、その美しすぎるお顔をそんなに近づけないで……!?し、心臓破裂しちゃいそうになるから……!」

「だから……ね?良いでしょ?私にお化粧、させてちょうだい」


 直視できないほどの美人さんから、間近でそうお願いされちゃ断れるわけがない。そもそも私が琴ちゃんのお願いを断るなんて選択肢は存在しない。

 琴ちゃんのその美貌に熱に浮かされたように見惚れながら、私はただこくりと頷くしか出来なかった。



 ◇ ◇ ◇



「じゃあお姉ちゃん。始めるよ」

「お、お願いします……」

「あは……♪お姉ちゃん表情硬いよ。緊張してるの?リラックスリラックス。お化粧は、怖い物じゃないからね。折角だし楽しもうよ」


 琴ちゃんと向かい合うように座らされ、ちょっと緊張してしまう私。……緊張しているのはお化粧に、ではなく。他でもない琴ちゃんとこんな至近距離で向き合ってるからなんだけどね……


「最初に下地を作って。ファンデーション塗って。あとはアイブロウ描いて……折角だしマスカラも…………あ、お姉ちゃん口紅とかも試しちゃう?どういうのが好みとかある?リクエストがあるなら遠慮しないで言ってね」

「あー……ええっと。ごめん、何がなにやらわかんないから……琴ちゃんに全部任せる……」

「ん。オッケー任された。絶対綺麗にするから楽しみにしててね」


 化粧バージンな私は(ついさっき母さんとあや子にされただろって?あんなの化粧にカウントしません)琴ちゃんに全て委ねる事に。


「お姉ちゃん、肌が白いし顔立ちも整ってるからとってもメイクのしがいがあるよ」

「いやいや。肌が白いのは10年寝てたからだし、顔だって普通だと思うよ。普通っていうか……どっちかというと不細工な部類に入るかと」

「そんなことない。……世界一、可愛くて綺麗よ。……ああ、ホントに綺麗……」


 絶世の美女に成長した琴ちゃんに褒められてもなぁと内心思いつつ、スキンケアを終えるとすぐに琴ちゃんは張り切って化粧を始めてくれる。

 まずは下地から。おでこに鼻に頬に顎に乗せ、内から外へ丁寧に伸ばしていく。それが終わると次はファンデーション。ポンポンと優しく置くようになじませる。チークも自然に色づけられほんのりピンクに仕上げられた。


「……お姉ちゃんまつげも長いね。それに……目もパッチリしてて……私、お姉ちゃんの透き通るような目。好きよ。大好き」

「あ、ありがとう……あ、あの。褒めてくれるのは嬉しいけど……琴ちゃん?ちょっと聞いてもいいかな?」

「ん?なぁにお姉ちゃん」

「なんでさっき以上に接近してるの……?」

「仕方のないことなの。だってこうしないとアイメイクが出来ないからね。決してお姉ちゃんのお顔を穴が開くくらい見続けても合法だから——なんて、不純な動機じゃないから安心して欲しい」

「そ、そう……」


 そう言われたら何にも言い返せない私は、都合上どうしても琴ちゃんと目と目が合うのが恥ずかしいけどそれをグッと我慢。琴ちゃんは私の頬に手を添えて、私を見つめながら目の周りのメイクも施してゆく。

 職人さんのように眉毛を一本一本描き足して、まぶたに影を付け、ラインを引きまつげを整えて。


「お姉ちゃん、口紅塗るから唇を突き出して貰えるかな?」

「ん、わかった。……こんな感じ?」

「…………おねえちゃん……」←目を閉じて同じく唇を突き出しにじり寄る琴ちゃん

「って……ちょ、ちょちょちょ……琴ちゃん!?な、なんで琴ちゃんまで唇を突き出してんの!?なんでその状態で私の唇めがけて近づいてくるの……!?」

「……ハッ!?ご、ごめん完全に無意識だった……なんかお姉ちゃんキス待ち顔してるように見えてついうっかり……」

「ついうっかりでキスしようとしないで……」

「…………いや、でも待って欲しいお姉ちゃん。お姉ちゃんに塗ってるこの口紅……私のだし、これって間接キスになるよね?と言うことは……もはやお姉ちゃんと私はキスしたも同然。つまり実際にお姉ちゃんとキスしても問題ないのでは……!」

「問題大ありだとお姉ちゃん思うよ……!?もっと唇の貞操大事にしてよ琴ちゃん……!?」


 途中何度も琴ちゃんに私の唇を狙われるハプニングはあったけど……最後に口紅を塗られる。リップを使い保湿をして、そのまま唇に紅を引き……そして。


「——はい、完成。どうかなお姉ちゃん」

「こ、これが……私……?」


 紆余曲折あったけど出来上がった琴ちゃんのメイク。化粧台の前に座らされ、それを見て私は驚嘆する。私であって私でない。見たこともない女の子がそこに映っていた。

 普段見慣れている自分の姿と、鏡の中の今の自分の姿。そのあまりのギャップに戸惑いを覚える。それくらい琴ちゃんのメイクは凄かった。


 10年日に焼けてなかったから病人みたいな不健康そうだった肌の白さは、健康的で張りのある肌に。小さめで目力なんてない冴えない目の周りは、アイメイクのお陰で大きくて印象的なパッチリおめめに進化して。手入れなどしたことのないカサカサした唇は、ぷるぷるで形の良い鮮やかな紅で染められていた。

 正直自画自賛してるみたいでアレだけど、今日だけは言わせて欲しい。圧倒的美少女すぎる……!け、化粧一つでここまで変わるもんなのか……凄いぞ琴ちゃんメイク……!


「(そ、それに……傷跡が……っ!)」


 そして何よりも私が最も驚いたのは。私が今回化粧をしたいと思い至った全ての原因。10年前の事故で出来た額の大きな傷跡が、綺麗に隠れていた事だ。

 そりゃかなり近づいて見てみたり、実際に触ったら傷があるってわかるけど。けれども傍目だと全然わからない。綺麗に消えて見えている。これなら知らない人が見たらほぼ気づかれる事はないだろう。


「……どうかな。お姉ちゃん」

「う、うん……私もあわよくば化粧で隠せたらとは思ってたけど、まさかここまで傷が見えなくなるなんて想定外——って、え?」


 と、メイクの出来に感心して。気もそぞろになっていた私に琴ちゃんは衝撃の発言をしてきた。い、今琴ちゃんなって言った……?傷、見えないでしょって……ま、まさか……!?


「……やっぱり。だからお化粧したかったんだねお姉ちゃん」

「こ、琴ちゃん……知ってたの……?」

「なんとなく、そうなんじゃないかなって思ってた。……そっか。やっぱりお姉ちゃん、その傷を隠したかったんだね……」


 ば、バレてる……!?よりにもよって、琴ちゃんにバレちゃってるぅ……!?さ、最悪だ……これじゃ琴ちゃんがより一層負い目を感じちゃうじゃないか……


「あ、あのね琴ちゃん!これには海よりも高く山よりも深い事情という物があってだね!?決して悪い意味で隠そうとしたわけでは——」

「そうだよね……お姉ちゃんだって女の子。自分の額に消えない目立つ大きな傷を付けられたら……嫌だよね。ショックだったんだよね。ごめんなさい、私に気を遣って気にしてないって言ってくれてたんだよね……」

「…………えっ?」

「…………あれ?」


 …………嫌?ショック?琴ちゃんに気を遣う……?


「あの、琴ちゃん?確認したいんだけど……私のこの傷……琴ちゃんが、気にしているんだよね?」

「え?う、ううん……気にしてるのはお姉ちゃんの方なんじゃないの?」

「いや、私は前にも琴ちゃんに話したけど……傷そのものに関しては気にしてないよマジで。名誉の勲章だって言ったでしょ?」

「……???で、でもお姉ちゃん……その傷が気になってたんでしょ?だからお化粧して隠そうとしたんでしょう?」

「「???」」


 あれあれ?おかしい、なんか会話がかみ合ってない気がする……


「……んーと。私もお姉ちゃんに確認なんだけど。傷が出来たことを気にしていないならさ……どうしてお姉ちゃんは隠そうとしたの?私が傷を気にしてるって、どうしてお姉ちゃんはそう思ったの?」


 改めて琴ちゃんにそう尋ねられる。どうしてって……


「い、いやだってさ琴ちゃん。ずーっと私のこの傷を見てたでしょ?同棲生活が始まってから……毎日って言っても良いほど傷を見てたでしょ?私、琴ちゃんとこの家で暮らし始めてから、琴ちゃんの視線をずっと感じてたよ?愁いを帯びた目で……私の傷を何度も見てはため息を吐いてたでしょ?だからてっきり……琴ちゃんが負い目に感じているんじゃないかって思って……その負い目が少しでも軽くなればと、化粧で傷を隠そうと……」

「…………あっ、あー……なるほど、そういう……」


 観念して今回化粧を始めるきっかけになった事を話してみる私。琴ちゃんは私の説明に、ようやく納得した表情を見せてくれた。


「ち、違うの小絃お姉ちゃん。確かに……その傷を作る原因を作ったことに対して負い目はちょっとはあるよ?で、でも違うの。私はその傷……お姉ちゃんが私を命を賭して守ってくれた証明だっていつも思ってるよ」

「そうなの?」

「うん。かっこいいって思ってる。お姉ちゃんが気にしていないなら……隠さなくて良いの。私は寧ろ、ずっと見ていたいから……」


 その言葉を聞いて心底安心する私。なーんだ、そういう事なら良かったよ。要するにただの私の早とちりだったって事ね!


「…………ん?でも、待って。じゃあなんで琴ちゃん……私の傷をずーっと熱烈に見てたの?」

「……ぅ」

「なんで傷を見てため息なんか吐いてたの?」

「…………(ササッ)」

「琴ちゃん?」


 気まずそうに目を逸らす琴ちゃん。追求するようにジーッと琴ちゃんを見つめると。しばらくすると観念したようにぽつりと琴ちゃんはこう呟いた。


「あ、あの……ね。お姉ちゃん、引かないで聞いて欲しいんだけど……」

「うん」

「その、傷ね……今言ったとおり、私を守ってくれた証明で……常々かっこいいって私思ってて……あこがれてて」

「うん」

「……できれば、その……傷に触ってみたいって……思ってて」

「うん……うん?」

「…………あと、かなうことなら……その傷にキスしたり、舐めてみたいなって……常々思ってて」

「…………」

「だからずっと……お姉ちゃんの傷、こっそり見てましたごめんなさい……」

「…………えーっと」


 心底恥ずかしそうに顔を真っ赤にしてカミングアウトする琴ちゃん。あ、あー……なるほどそういう事。だからあんなに熱烈な視線で傷を見てたわけね……

 琴ちゃんが負い目として捉えていたわけじゃないとわかって安心すると同時に、今度はまた別の意味でどうしようって思う。……こういう場合、一人の姉貴分としてどんな対応をすれば良いのだろうか。


「…………えと。ひ、引いた……よね?」

「え?あ、いや引きはしないけど……でも、この傷を?触りたいの?」

「……うん」

「ついでにキスしたい?舐めたい?」

「…………うん」

「そっか……そっかぁ……んーと……琴ちゃん」

「はい」

「よくわかんないけどさ……そこまで触りたいなら、良いよ触っても——」

「良いの!?」


 …………めっちゃ食い気味に食いつかれた。そ、そんなにしたかったのか……



 ◇ ◇ ◇



「はぁあああああん……♡凄い、すっごぉい……♡」

「あ、あの琴ちゃん……くすぐったいから、ほどほどでお願いね」

「う、うんわかってる……でもね、ホントに凄いの……お姉ちゃんの、傷……♡」


 押しに負けて結局琴ちゃんの要望通り私の傷を琴ちゃんの自由にしてあげることに。琴ちゃんは恍惚の表情で私の傷を指でなぞってうっとりしている。……いやはや。ある意味私のせいだろうけど、琴ちゃんも随分と難儀な性癖を持っちゃったなぁ……

 あ。ちなみに余談だけど。傷がハッキリ見えるようにと琴ちゃんに頼まれて、あんなに完璧にして貰ったお化粧は即落とされた。何のために琴ちゃんに時間をかけて化粧して貰ったのかわからんねこりゃ……


「あーあ……折角琴ちゃんに綺麗にして貰ったのに……見違えるほど別嬪さんになったってのに……勿体なかったなぁ……」

「いいのいいの。あんなのすぐ出来るよ。お姉ちゃんさえ望めば化粧くらいいつでもしてあげるし……それにね、小絃お姉ちゃん」

「?何かな琴ちゃん」

「お姉ちゃんの場合はさ、お化粧なんて使わなくても。と言うか、お化粧してない方が……ずーっと綺麗で可愛いよ」


 そう言って琴ちゃんは、満面の笑みを浮かべたまま私の傷にキスを落としたのであった。

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