第26話 輝き
フレイ・ミルフィーユと共にピクニックに出かけることにした。
当日宿屋を出てのんびり昼食を済ませた後、南の方にあるウユレグ高原へ向かう。初めて行くのだがウユレグ高原にはレベルの高いモンスター、レベル60台のダーキニーが徘徊していた。辺りには一般人はもちろん冒険者もいない。
ゲームの知識によるとダーキニーはレベルが高いモンスターだが実際は経験値が入らない上ドロップ品もない、何の魅力もないモンスターだ。景色の良い高原に向かうカップルを行かせまいと配置されたモンスターといえる。
難なく進む二人。
ちょうど夕刻に目的地に着いた。二人きりだ。
高原は黄金色のように輝くすすきに似た花が敷き詰められていた。
輝く花、夕焼け、稜線があいまって幻想的な光景にしばらく魅入る二人。
「きれいね」「ああ」
彼女は心底嬉しそうに微笑む。
しばらく景色を眺めたあと仰向けに寝転がり空を眺める。
(いつまでもここにいたいな)
少し眠ってしまったようだ。時間は過ぎあたりは暗い。満天の星々が輝いている
輝くといえばフスカの森で手に入れた光る馬具の手綱のことを思い出した。立ち上がり謎の黒い空間から光る馬具の手綱を取り出す。
光る馬具の手綱に関しては前にも試しに使用したことがあるのだが何も起きなかった。
「この光る馬具の手綱に関して何か知っていることはある?」と聞いてみる。
「これはユニコーンを呼ぶことができる手綱ですわ」
「何!ユニコーンだと。どうりで男の私が使っても何も反応しないはずだ。ユニコーンは生粋の処女でないと姿を現さないし乗ることもできないと聞いたことがある」
「そうみたいですね。更にユニコーンは悪魔の象徴、七つの大罪憤怒の象徴とも言われてます」
「へえ、知らなかった」
「貸してください」光る手綱を手渡す
フレイ・ミルフィーユが光る手綱を使うとユニコーンがあらわれた。
フレイ・ミルフィーユはユニコーンに乗ろうとする。
「ちょっと待って」「どうしました」
「初めて会ったときフレイ・ミルフィーユはバイコーンと一緒だったはず」
「そうですね」
「バイコーンとユニコーン両方乗れるの?」
「いえ、バイコーンには乗れません。初めて会ったときはバイコーンに乗れないから手綱を引き従えていただけです。それとあのバイコーンは魔王様の配下で私のお目付け役といったところです」
「そうだったのか」
「恥ずかしい話私はそういった経験が無いものでユニコーンには乗れると思うのですが試してみていいですか」
「もちろん、私には使いこなせないのでその手綱も有用なら自由に使ってくれ」
フレイ・ミルフィーユはユニコーンに騎乗して走り出す。
「乗れました、自由に操れます」
より一層幻想的な光景を目にやきつけたのだった。
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