マッチ売りの少女

 マッチ売りの少女が寒さのあまり売り物のマッチに火をつけると火の中にご馳走の並んだテーブルが見えました。

少女が驚いているとすぐにマッチの火は消えて少女の手の中にあるのは燃え尽きたマッチだけでした。

少女がもう一本のマッチに火を灯すと今度マッチの火の中に現れたのはマッチの火を熱心に見つめる少女の後ろ姿でした。

火の中の少女の前を恰幅の良いおじさんが通り過ぎて行きます。

今マッチを見ている少女の前を恰幅の良いおじさんが通り過ぎて行きました。

慌てて少女がもう一本火をつけると火の中の少女が目の前の雪に紛れた銅貨を見つけたところでした。

少女が急いで目の前の雪を掴み取ると指の隙間から雪がこぼれ落ちていく中、銅貨が少女の手の中で鈍い光を放つのでした。

少女がさらにもう一本火をつけるとマッチが映したのは売り物のマッチを全て燃やしてしまった少女の姿でした。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る