第111話 レベルが上がらねぇ




 グランドゴーレムを倒し鉱石ダンジョンをクリアした後、素材集めを兼ねて同じように何度も鉱石ダンジョンを周回し、当分鉱石素材を採取する必要がないくらいの数が手に入った。


 これで主目的も達成したし、この鉱石ダンジョンに来ることはしばらくないだろう。先のエリアに進んで似たようなダンジョンがあれば二度と来ない可能性もあるが。


 キャラメルとやちゃるの戦闘経験もそれなりにこなしたと思うから、しばらくはこういうことをすることはないだろうな。

 正直、ボス戦をメインで戦わせていた2匹以外は結構フラストレーションがたまっているようなので、こういうことはあまりしない方がいいんだろう。テイムモンスターにも好感度は存在するようだし、今後似たようなことはしないようにしよう。


 とりあえず適当な相手で発散する必要があるだろうな。できれば少しでも強い相手の方がシュラ達のレベルも上がるだろうし、第6エリアにあるダンジョンの方が落とす素材も質が高いから一石二鳥くらいにはなるだろう。


 そう判断してすぐに転移で登録してある第6エリアの街へ移動する。


 街を出る前に回復用のアイテムを買い漁って、何が起こっても大丈夫なように準備万端にしてからフィールドに出る。


 嬉々として俺より先に進んでいこうとするシュラと朱鞠を押さえながら、モンスターが多くいるエリアに向かって足を伸ばす。


 そして、モンスターが比較的多く存在しているエリアに到着するなりシュラと朱鞠、他のテイムモンスターに指示を出しながら出会った先からモンスターを薙ぎ倒していいく。


 前線近くのエリアに出るモンスターだけあって、ちぎっては投げちぎっては投げ、とまではいかないものの、苦もなくシュラたちはモンスターを倒していく。

 正直俺の出番は一切ない。最初に指示を飛ばしたっきり、オートでレベルを上げてくれるソシャゲの如く、流れ作業のように次々とモンスターはシュラ達によって屠られている。


 ううむ。しかしレベルは上がりそうにないな。


 第5エリアよりレベルの高い相手は出てくるんだが、シュラたちの適性レベル帯より大分下なんだよな。

 金の力に任せて素材でレベル上げまくったせいなんだけど、もっと先に進まないとダメか?


 シュラは俺のアバターレベルのせいでレベルの上限に引っ掛かっているし、朱鞠もそろそろそれに引っ掛かる。できれば俺のレベルが上がってくれるとうれしいが、もうちょっと先になりそうな気配はする。

 

 キャラメルがそろそろ進化しそうなレベルになるんだが、40で進化可能のアナウンスがなかったということはレベル45で進化だろうか。

 シュラとぷらてあがレベル45で進化可能だったんだが、朱鞠は40だったんだよな。前者はレア個体で後者は通常個体だったことを見れば、レア個体の3回目の特殊進化はレベル45で固定なのかもしれない。


 それよりもそこそこ戦闘に参加しているシュラたちに比べてレベルの上がりやすいキャラメルでも、ほとんどレベルが上がっていないことを考えるとマジで先に進まないといけないかもしれない。


 素材でレベルが上げられるとはいえ、今手に入る素材だと1レベル上げるだけでも当たり前のように100個以上必要になっているし、素材のランクアップも必要だな。




 というわけでやってきました、第6エリアボスの戦闘エリア。


 兎にも角にも先に進むにはエリアボスを倒さなければならないので、ちゃっちゃと倒していきましょう。


『エリアボスとの戦闘エリアに入りました』


 意を決してというわけではないが、俺たちが戦闘エリアに入った段階でエリアボスはすでに空中に漂い、俺たちに鋭い視線を向け戦闘態勢になっていた。







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