第84話 妨害プレイヤー
イベントが残り1時間となった。
開始から1時間半となったところで、その時点での参加しているプレイヤーが獲得しているポイントの平均と最高ポイントが示された。
平均は1876で最高が4002。この時点での俺が獲得していたポイントは2341で平均よりは上だったが、最高ポイントから1000ポイント以上も離されていた。
おそらく一番ポイントを稼いでいるプレイヤーは最初からボスモンスターを倒し続けていたのだろう。もしかしたら偶然1人で倒したというのもあるかもしれない。
まあ、俺は1位になりたいのではなく、交換アイテムのモンスターの卵が欲しいだけだからそこまで順位にこだわりはない。
……順位にこだわりはないんだが、こうもポイントの差が出てしまっているのは何か嫌だな。もう少し差を縮めたいところだが難しいだろうな。とりあえずこれ以上差が開かないように頑張るか。
最初にボスモンスターを倒してから、追加で5体のボスモンスターからポイントを獲得している。そのお陰か俺の獲得したポイントは3000を超えた。
残り1時間と少し。どうにか5000ポイントくらいまで行きたいところだが、ポイントが出た所為でモンスターの取り合いが激化しているんだよな。
特にボスモンスターの討伐に参加していると、妨害してくるプレイヤーが少なくない数が出てきているんだよ。
一応、故意に他プレイヤーに向けて攻撃をしたプレイヤーにはペナルティーが入るようになっている。故意に攻撃を当てたプレイヤー数×10ポイントが減るようになっているらしいんだが、それを知らないで攻撃しているやつもいるし、知っていてもなお攻撃している奴も居る。
普通に考えればデメリットしかないはずなんだが、どうやら他のプレイヤーと手を組んでいるらしく、妨害するプレイヤーは妨害しかしない。で、残りのプレイヤーは普通に攻撃する。
妨害しているプレイヤーのポイントはおそらく0だろう。なのでいくら他のプレイヤーを妨害してもポイントは減らない。それでボスモンスターを攻撃している奴らは他のプレイヤーの攻撃が減ったところで攻撃する。すると最終的に得られるポイントの多くはそいつらに入るようになる。
ぶっちゃけ、効率の悪い方法だ。
どう考えても複数のプレイヤーでボスモンスターをたこ殴りにして速攻倒して、次のボスモンスターを探して倒す。これを繰り返した方が最終的に獲得できるポイントは多いと思う。
そう、この場にいる妨害プレイヤーに言いたい。まあ、言ったところで聞き入れるかどうかはわからないけどな。
目の前に居るボスモンスターと戦い始めて5分程経っているが、途中から妨害プレイヤーが来て攻撃頻度が下がった。他のプレイヤーも同じだ。
正直ウザイ。さっきから範囲魔法をガンガンぶっ放してくるせいで視界が悪くなるし、狙いがずれる。それにダメージはないが当たった衝撃はあるので攻撃されたタイミングしだいでは転びそうになる。
運営はポイントを二の次にして妨害を楽しむプレイヤーが現れることを想定していなかったのか? それともそれもイベントの楽しみ方だと判断しているのか。後者だったら次のイベントに参加するのは止めておいた方が良いかもしれない。
既に何発も攻撃を入れているからこの場から離れるのもありだ。ただ、少し前にそうしたら獲得できるポイントが減っていた気がするんだよな。
ちょっと前に倒れたボスモンスターでも妨害プレイヤーが出て、面倒だからと早々に離れたんだが攻撃回数や与えたダメージの割に獲得出来たポイントが低かった。おそらくワンパンだけ入れて他のプレイヤーに押して付けるようなプレイヤー対策だと思うが、これの所為で離れづらくなった。
『イベントアナウンス!
これよりフィールド上に居る一部のプレイヤーがポイント対象となります!
対象となったプレイヤーはこれよりプレイヤーからの攻撃でダメージを負うようになります。また、対象となったプレイヤーが死亡した場合、イベントフィールドへの復帰は出来ませんのでご了承ください。
ポイント対象となるプレイヤーは、対象とわかるようその頭上に倒した場合に獲得できるポイント数が表示されます。
では、残り60分。プレイヤーの皆様、頑張ってポイントを稼いでいってください!』
ポイントの中間報告と同じようにアナウンスが来たが、これってどういうことだ? 対象プレイヤー……? 死亡したらイベントフィールドへの復帰不可……っまさか!
今まで妨害していたプレイヤーの姿を確認する。するとそのプレイヤーの頭上には赤文字で7230と表示されていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます