現実逃避のために逃げ込んだVRMMOの世界で、俺はかわいいテイムモンスたちに囲まれてゲームの世界を堪能する

第85話 成敗とラストスパート

　ここに来て妨害プレイヤーへのペナルティーだと！？　

　というか、最初からこうするつもりだったのなら、プレイヤーの攻撃でプレイヤーに影響を与えないようにしておけよ。もしくは一定回数意図してプレイヤーへ攻撃したら即イベントから排除とかさ。

　いや、そんなことを考えるよりも先に攻撃した方がいいよな。他のプレイヤーの中には既に攻撃に移っているやつも居るし、今まで妨害していたプレイヤーは逃げ出そうとしている。

　しかし、まだボスとの戦闘中なので、逃げ出している妨害プレイヤーだけに意識を向けることは出来ない。しかし、このまま何もしないのはあり得ない。

　これまでの仕返しもしないとな。悪役は古来よりざまぁされるために存在しているものだ。

　という事で、ボスモンスターがこちらを視界に入れていないタイミングを見計らい、光魔法の中で一番攻撃速度の速いライトショットを放つ。

　放ったライトショットは逃げ出した妨害プレイヤーの背中に命中し、その衝撃でそいつは体勢を崩した。

「うおぁ！？」

　俺の運が良かったのかあのプレイヤーの運が悪かったのか、逃げて行ったプレイヤーはヘッドスライディングするかのように走っていた勢いそのままに地面へ倒れた。そして、そこへ追っていた他のプレイヤーからの追撃を食らっていた。

　殆どリンチだな。あまり良い見た目ではないが、そうしてやりたい気持ちもわからないでもない。

　あの様子ならすぐに倒されるだろう。これ以上あれに意識を割くのも無駄だし、さらに言えば攻撃しても他のプレイヤーに当たる可能性が高いからな。後は放置でいいか。

　そして30秒もしない内にあのプレイヤーは倒されたらしく目の前に、962ポイント獲得とリザルトが表示された。

　おい、めちゃくちゃ割が良いぞ！？　今のところ一度に獲得したポイントの中ではぶっちぎりのトップだ。2番手は少し前に倒したキラープラントで670くらいだから300近く差がある。

　まあ、あのポイントはこれまでに他のプレイヤーを妨害した分だろうから、そうそうあんなポイントを掲げた妨害プレイヤーは居ないか。

　これだけポイントを稼げるのならあと一人くらい出てきてくれると嬉しいんだが、今の奴と同じくらいに稼げるかはわからないし、どれだけ対象となったプレイヤーが居るかもわからない。

　というか、どう考えても妨害されたプレイヤーからのヘイトが集まり過ぎているから、逃げ出したところでイベント終了まで逃げ切れないだろう。運よく追って来ているプレイヤーから逃げ切れても頭上にデカいポイントを掲げているのだから、他のプレイヤーに見つかれば当然追われることになるはずだ。

　まあ、それを考えると対象プレイヤーをメインで狩るのは効率が悪いだろうな。そもそもメインターゲットにするほど数が居るとも思えないし。目の前にいるなら即狩りする以外の選択肢はないけど、探してまでするメリットはそんなにない。それに、もう対象プレイヤーが全滅しているなんてこともあり得る。

　たぶん、ボスを狩り続けた方が効率は良い。いや、ボスを狩りつつ、そういう奴が居たら狩る、が正解だな。

　そう言えば、妨害プレイヤーと手を組んで居たっぽい奴らはどうなったんだろうか。

　そう思ってボスを挟んで反対側に居たはずのプレイヤーたちを確認してみる。

　見たところ何の変化もない。そいつらから焦った様子も見て取れないので、今のところペナルティはないようだ。まあ、直接プレイヤーに攻撃していないからペナルティは無いという事だろう。それに手を組んでいたように見えた、というだけで実際にはどうだったのかは俺にはわからないしな。

　脳波なりログなりを確認すればどうかはわかるだろうが、その辺りは運営じゃないと確認は無理だ。。

　気にしても時間の無駄か。さっさと目の前のボスを倒して次のボスを探しに行った方がいいよな。

　妨害プレイヤーを追っていたプレイヤーも戻ってきたことで、ボスはあっさり倒された。

　獲得できたポイントは、終盤まで妨害されていた影響かあまり多くはなかった。それでもモブモンスターを狩るよりも多くポイントが獲得できているから、やはりボスモンスターをメインで狩った方がポイント獲得効率は良いようだ。

　さて、残りの時間も1時間切っているし、無駄な時間は割くべきではないな。

　とりま、これまでよりも多くのボスモンスターを倒せるように頑張るか。少しでもポイントを多く手に入れて、卵の他にも良さそうなアイテムがあったらそれも交換できるようにしないとな。

　そうして、イベントが終了する時まで俺は出来る限りにポイントを稼ぎ続けた。