第73話 キャラメル進化
一旦、第4エリアの街、名前は……何だったか、えーと……ああ、フミタに戻ってきた。
ギルドに1回寄って、取引掲示板でキャラメルのレベルを上げる用の素材を買っていく。さすがに第4エリアのモンスターだけあってワイルドキャットの素材はそれほど数がない。なので、風系統のモンスターと形状の近い獣系モンスターの素材を買っていく。
あとは、食べ物系のアイテムを補充していく。
素材をある程度買ったところでギルドを出て、近くの宿に入る。本当ならダンジョンマスターの部屋に戻った方が安上がりではあるのだが、さすがに遠いので戻るのは諦めた。行きは良くても帰りが2エリア分移動しなければならないので面倒臭すぎる。これはダンジョン以外の場所にもハウスを持った方が良いな。
「さて、キャラメルのレベルを上げて……いくか……」
そう言いながらキャラメルの毛を撫でる。ちょっと固めだが手触りはそれほど悪くない。
「…………痛っ」
無心になってキャラメルの毛を撫でていたのだが、さすがに撫で過ぎたのかキャラメルから猫パンチを貰ってしまった。
「……まあ、構いすぎも良くないか」
もう少し撫で続けていたかったが、機嫌を損ねすぎるのも良くない。とりあえず詫びの印も込めてキャラメルに焼き魚を上げてみる。
「おっ」
最初は警戒していたのか、焼き魚が何なのかわからなかったのか、すぐには手を出さなかったキャラメルだが、一度食べ始めると一気にそれを完食してしまった。
「です~?」
後ろから催促するようにシュラたちが待ち構えているのに気付いたので、シュラたち3匹にも餌、と言うか携帯パンを上げた。しかし、ぷれてあと朱鞠はパンが嫌なのか、食べようとしなかった。仕方が無いので他の携帯食であるオレーンとか言う果物を上げる。オレーンはミカンとオレンジの中間のような果物だ。これなら食べる気になったのか2匹は出されたオレーンに被り付いていた。少しシュラが食べたそうにしていたので、半分ほどをシュラにあげ残りは俺が食べた。
さて、改めてキャラメルのレベル上げをしていこう。
と言っても、シュラたちと同じように【育成】スキルを使ってレベルを上げるだけだから、それほど手間はかからないから、すぐに終わるんだけどな。
【育成】スキルを使ってキャラメルのレベルを上げていく。最初に使うのは取引掲示板で購入したワイルドキャットの素材だ。
購入できたワイルドキャットの素材を全て【育成】スキルに使ったのだが、残念ながらキャラメルのレベルは19までしか上がらず、進化可能にはならなかった。なので、追加で他の素材を経験値に換えてキャラメルのレベルを20に上げた。そして、レベル20になったことにより進化が可能になった。
『NAME:キャラメル 種族:ワイルドキャット LV:20 属性:風
HP:58 / 58 MP:101 / 101
STR:60 INT:47 総合攻撃力:53
VIT:19 MND:39 総合防御力:29
AGI:87(10) DEX:52
スキル:引っ掻き・高速移動・軟体LV2・身隠し
進化可能:砂塵猫・ウィンドキャット 』
進化先が2種類あるな。何気に漢字名のモンスターは初だが、これは通常進化らしいからな。属性が風・土になって体が少し大きくなるらしい。欠点としては毛の質がもふもふではなくなって、ゴワゴワになるようだ。
それでウィンドキャットに関しての情報はない。おそらくレア個体の進化先だろう。ただまあ、ゴワゴワの毛並みは嫌だしレアな進化先みたいだからこちらを選択する。
進化先を選択したことによりキャラメルの体が光始め、進化が始まった。
進化による光が収まり、キャラメルの姿はサイズをそのままに毛が長く柔らかそうになり、いかにも血統書あります、と言った感じの上品な猫になっていた。
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