第71話 報酬の情報
PMダンジョンについてはミヨガダンジョンに来ることで話がまとまり、報酬の話しに移った。
「さて、報酬の方じゃが、さすがにさきに聞いていた物では釣り合わないのぅ。それでじゃが、ミヨさんが求めている情報に追加して相応のFsを報酬にするつもりなのじゃが」
「Fsはまあ、PMダンジョンで結構消費したから嬉しいは嬉しいが、正直そこまで求めている物でもないんだよな」
Fsについては課金して換金すれば手に入るから、そこまで欲してはいない。
「まあ、ミヨさんは前からそうじゃしの。だが、元から渡すつもりだった情報ではつり合いが取れんのじゃよ」
「そうか。……なら、霊泉のあのモンスターの情報を上乗せしてくれ。それは含まれていないんだろう?」
「そうじゃな。それでもこちらの方が得をしてしまっているので不足分のFsは渡すが、その情報を渡すかどうかの最終判断は霊泉しだいじゃ」
「何ですか? 私のネームが聞こえた気がしましたが」
自分のネームが話の中に出て来たのに気付いたのか霊泉がこちらに来ていた。
それと、毎回欲しい情報を渡してくれたのだが、それはイケシルバーの独断ではなかったようだな。最終判断は霊泉と言っているから、各情報を担当している者が許可しないと渡せないようになっていたのか。
「霊泉。もういいのか?」
「はい、十分見させてもらいました。あれを見てしまうと、私もシュラちゃん達みたいなテイムモンスターが欲しくなりますね」
「ああ、シュラたちみたいなテイムモンスは少ないからな」
シュラたちは可愛いからな。その気持ちはすごくわかる。
それに、俺が知っている他のプレイヤーがテイムしているモンスターって何か反応が微妙なんだよな。何と言うか、機械とまでは言わないけど、感情が薄いと言うか、コミュニケーション能力が低い?
そんな感じで仲間やペットとして扱うにはちょっと、って感じなんだよ。シュラたちはそんなことは無いのだけど。
「シュラちゃん達みたいなテイムモンスターとそれ以外のテイムモンスターって、おそらくAIが違うみたいなんですよね。正確に言えば、AIが成長しているかどうかの違いだと思います。私のテイムモンスターもある程度は意思疎通ができますから、懐き度的な物があるのだと思います」
「なるほどなぁ」
そう考えれば変なことではないな。より良い関係を築いていれば、相応の対応を返してくれるようになると。元よりテイムモンスターは使い捨てみたいな扱いが主流みたいだから、仕方がない結果なのかもしれない。
「それで、私がどうしました?」
「あー、その、霊泉がテイムしているそのモンスターの情報を報酬としてもらえないかって話だ」
俺の言葉を聞いて、霊泉はイケシルバーの方をチラッと確認した。それに対しイケシルバーは小さく頷く。どうやら霊泉的に情報を俺に渡すのは問題ないようだ。
「この子は、この第4エリアの一部に廃墟があるのですけれど、そこで出て来るモンスターでテイムした時はリビングウェポン。それが2回進化してリビングアーマーになりました。ただ、この子はレア個体なので、通常個体だと武器系統にしか進化できないようですね。どうやってもアーマー系と言うか体に装備できる防具にはなりませんでした」
「はーん。なるほど。だからそんなことが出来ているのか」
「そうなります。まあ、詳しいことはそれ程わかっていないのですけどね」
このエリア廃墟があるのか。という事は、リビングウェポンだけではなく、ゾンビとかのアンデット系のモンスターが出るかもしれないな。
この後、元から報酬として決めていた新しくテイムするモンスター候補の情報や第4エリアのダンジョンの情報を貰い、イケシルバーたちと別れた。
さて、じゃあ、貰った情報を元にこれからの行動を決めて行こう。
うーむ、ダンジョンに行くのも捨てがたいが、まずはテイムモンスターをテイムしてからだな。先にテイムしてレベルを上げてからダンジョンへ行くことにしよう。
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