ダンジョンを成長させよう
第55話 ダンジョンの名称
アンゴーラによって表示されたウィンドウは、ダンジョンを操作するための設定画面だった。
「ふむ、ダンジョンの名称を決めてください……ね」
『今すぐ決める必要は無いぞ。後から変更することもできるのでな。まあ、その時にはダンジョンポイントが必要になるがの』
「なるほど。安易にぽんぽん名称は変えるなってことね」
『まあ、そういう事じゃな』
どれくらいのダンジョンポイントが必要になるのかはわからないけど、最初にしっかりと名称は変えた方が良いだろうな。
と言っても、そうそうパッと思いつくものではないのだが。
うーん。俺のダンジョンだから、冥加ダンジョン? いやリアルネームを使うのはないな。ミヨのダンジョン。……侵入してきたやつらを倒すから、いつもネームとして使っている茗荷の茗をアバターネームのミヨにして、荷は相手を倒す武器として牙に変えて、ミヨ牙? 一部だけ漢字なのもおかしいから、ミヨガダンジョンか。ネーミングセンスが無さすぎるが、変に捻り過ぎてもな。ミヨガダンジョンでいいか。
何か嫌になったらダンジョンポイントを消費して変えればいいのだし。
とりあえず決まったのでミヨガダンジョンと名称欄に打ち込む。
『決まったようじゃの。本当にこれでいいのかの?』
「ああ、これでいい」
『それでは次に行くのじゃ』
次のウィンドウに表示されていたのはダンジョンポイント(DP)の使い方と変換率だった。
『見ればわかると思うのじゃが、ダンジョンポイントを使うには妾が必要じゃ。ダンジョンポイントを使って何かをしたいと思ったら妾に話しかけるのじゃ。それと、ダンジョンポイントをアイテムやFsから得る場合の変換率は、100Fsで1DPとなっておる。アイテムは売値が対象じゃな。それと小数点以下のDPはしっかり反映されるが、数値としては見えないのじゃ』
なるほど。リアルマネーでダンジョンポイントを稼ぐなら1円で10DPになると。だったら限界ギリギリまで課金して、それをガチャ分だけ残してそれ以外をFsにしてダンジョンポイントにすればいいか。まあ、今あるOCは全部Fsに換金しよう。
「なあ、今からFsをDPに変えることは出来るか?」
『ぬ? まあ、出来るが、なんじゃ、もうこの説明は要らんのかの』
「え? いや、いる」
『だったら、ポイントの変換はこの説明が終わってからじゃな』
「わかった。説明を続けてくれ」
何で説明が要らないって話になるのか、と思ったけど、この先の説明でDPを使ってみるとかのチュートリアル要素でもあるのかもしれないな。
と言うか、シュラたちが若干飽きてきているような気配があるんだけど、早めに説明を聞き終えた方が良いのかもしれない。
『うむ。では続きじゃが……』
アンゴーラによるダンジョン運営の説明が続く。
DPを使うことでダンジョンを成長させることが可能で、ダンジョン内に出て来るモンスターもDPを使うことで増やしたり、強いモンスターを出したりすることが出来るようだ。
ゲートキーパーを倒すことで出て来る報酬の内容もDPを消費して決めることが出来る。ボーナスで出て来る宝箱も同じようだ。
内容を指定していない場合は、魔石になるらしい。今までゲートキーパーを倒した時に出て来た物の中で魔石が多かったのは、ダンジョン側が報酬を設定していなかったからのようだ。たまに出て来た素材とかは、ダンジョンがそうなるように設定していたという事だろう。
俺がログアウトしてゲーム内に居ない場合でも、ダンジョンは挑戦者を受け入れなければならないようだ。居ないからと言って誰も入れないようにはならないらしい。そのため、早い内にダンジョンを成長させて簡単にクリアできないようにする必要があるようだ。
ただ、最初にダンジョンが開かれるタイミングは、ダンジョンポイントを初めて使用したタイミングから1時間後らしい。まあ、使ったタイミングで入って来られるようになっていたら、簡単にクリアされてしまうので、そう言った猶予が無いと困る。いや、1時間でもかなり短いと思うけどさ。
『まあ、こんな感じじゃな。さらに詳しい説明が欲しいなら、妾に直接聞くか、ヘルプを確認するのじゃ』
「ああ」
『っと、忘れておったのじゃ』
「ん?」
30分程で大体の説明は終わった。
これでOCをFsに返金してから一旦ログアウトするかと思ったところで、アンゴーラが言葉を付け足してきた。
『ゲートキーパーのことなんじゃが、テイムモンスターをゲートキーパーとして配置することが可能なのじゃ』
は? 何ですと!?
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