第34話 ぷらてあはお留守番


『テイムモンスター:ぷらてあ の進化させる、が選択されました。進化先にヒューマプレンテが選択されています。

 これよりテイムモンスター:ぷらてあ の進化を始めます。

 リビルドが選択されているため、進化後、テイムモンスター:ぷらてあ のレベルは1に戻ります』


 進化を選択したことでぷらてあの体が光り出し、それが終わると同時に大きくなったぷらてあの姿が現れた。


「……ぷぁの?」


 ぷらてあは進化したことで大きくなった体の感覚を確かめるように、四肢をゆっくり動かしている。


 やっぱりヒューマと付いているから人型ではあるんだな。腕や脚はツタが絡んでそれっぽくなっているだけで、シュラと同じようにどうやって立っているんだ?と言いたくなるようなものだけど。


『NAME:ぷらてあ 種族:ヒューマプレンテ LV:1 属性:樹木

 HP:148 / 148 MP:120 / 120

 STR:25(5) INT:42 総合攻撃力:33

 VIT:60 MND:55(15) 総合防御力:57 

 AGI:30 DEX:32

 スキル:蔓・毒・回避LV1・拘束LV1・ドレインLV1 』


 ステータスはまあ、言うことは無いな。スキルは擬態と体当たりが無くなって回避と拘束、ドレインを覚えたのか。

 うーむ、これ完全に搦手型だよな。しかも拘束からの毒とドレインって嫌がらせにもほどがある。もし敵として出て来たら真っ先に倒さないと面倒なやつだ。


 これで拘束のレベルが上がれば、ぷらてあが敵を拘束して、その間に俺らが敵を攻撃するってことも出来るかもしれないな。今はスキルのレベルが低いから出来ないだろうけど。


 まあ、これ以上レベルを上げることは出来ないからぷらてあはギルドに預けて、ダンジョンで素材を集めて来るかな。


「素材も無くなったし、ぷらてあは一回ギルドに預けてダンジョンに行くぞ」

「です」

「ぷぇ? ぷぁる?」


 連れて行かないと言ったところでぷらてあが驚いているが、何だろうな。シュラと同じように話しだしそうな気配がするんだが。いや、話せるようになってくれた方が意思疎通できるようになるからありがたいと言えばありがたいが、死ぬリスクがあるから戦わせ辛くなるんだよな。


 前も同じことを考えたが、まだ本当に話せるようになるかはまだわからないし、今気にしても仕方がない事なのは理解している。


「とりあえず、ぷらてあを連れ出すのはもう少しレベルが上がってからだな」

「ぷぁ…」


 ぷらてあが残念そうにしているが、余裕をもって戦えない以上連れていくことはしない。


 そうしてぷらてあをギルドに預けて、俺とシュラはあの森の奥にあるダンジョンに向かった。




 森に戻り、先ほど採取をしていた場所よりも奥に向かう。


 今回入るダンジョンは森の奥に生えている巨木の根の間にある穴の先にあるらしい。木の根の間にダンジョンの入り口があるから、入口が小さいらしいけど俺の今のアバターは小柄だしシュラも俺より大きい訳でもないから問題は無いだろう。


 そして森に入ってから10分程奥に向かったところで、目的の巨木の場所まで到着した。巨木の周りには他の木は一切生えておらず、一種のセーフティーゾーンとして機能しているのか、俺以外のプレイヤーがちらほら休憩しているのが確認できた。


 まあ、休憩しているプレイヤーに関わるつもりは一切ないので、なるべくじろじろ見ないようにしながら木の根の間にあるはずのダンジョンの入り口を探す。


「ああ、ここか」


 巨木の周りを半周した辺りでダンジョンの入り口を見つけることが出来た。確かにダンジョンの入口は狭かった。ただ、普通のプレイヤーだったら問題なく通ることが出来るサイズだったし、ダンジョンの中に入るためにここを通り抜けなければならない訳でもない。


「おい、てめぇ!」

「ん?」

「なに、俺らより先に入ろうとしてんだよ!」

「はぁ?」


 入口を見つけ、いざダンジョンに入ろうとしたところで、休憩していたと思われるプレイヤーに声を掛けられた。というよりも絡まれたと言った方が良いだろうな。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る