第27話 プレイヤー:エティテプ
「完全に忘れてた」
イケシルバーが興味深そうにシュラのことを見つめていた後、俺たちはイケシルバーに連れられてある場所に来ていた。
本当なら、あの場所でシュラのことをサラッと話してギルドに向かおうと思っていたのだが、俺にとある問題が発生して急遽、この場所に来ることになったのだ。
「いや、本当に申し訳ない」
「いえ、同じような状態になる方は結構いますし、人によっては倒れる方も居ますから別に問題はないですよ」
「そうじゃよ。そもそも運営のアナウンスの仕方が悪いだけじゃしの。第2エリアに入った瞬間、アナウンス無くいきなり満腹度が有効化された事に気付けるのはそう居ないじゃろうし」
そう、俺はいきなり有効化された満腹度が10%を下回った所為でイケシルバーの前で倒れたんだよ。
事前に調べていたから知ってはいたんだが、エリアボスを瞬殺した際に楽勝過ぎてせいで物足りなくて、町に着くまでの間にちょっと寄り道してモンスターを倒していたらポロっと忘れた訳だ。そもそも何事もなく町に向かっていれば問題ない程度の減りだっただろうからな。
まあ、それに満腹度が0になった訳ではないし、空腹のデバフが載って一瞬力が抜けただけで動けなくなった訳ではないから、直ぐに立ち上がったんだけどな。
で、満腹度の回復には食べ物を食べないといけないんだが、俺が適当にそこらのNPCショップで食べ物を買おうとしたところでイケシルバーに止められて、現在いる何と言うかカフェテラスのような食事ができる場所に連れてこられた訳だ。
「それでその子のことを聞きたいのじゃが、いいかの?」
俺が注文して運ばれて来た料理を食べ終わったところでイケシルバーが話しかけて来たのだが、その前に聞きたいことがある。
「答えるのは別にいいんだが、その前にそっちのプレイヤーの紹介をしてくれないか? さすがに知らないプレイヤーの前で話をするのは嫌なんだが」
イケシルバーの隣には俺が空腹で倒れる前から居たデカいプレイヤーが居るんだが、未だに2,3言しか発言していないから人となりがよくわからないんだよな。まあ、イケシルバーと一緒に居たという事は仲間なのだろうが。
「ああ、ごめんなさいね。私はエティテプって言うの。種族は見ればわかると思うけどジャイアントよ。それと気づいていると思うけど、イケシルバーのパーティーメンバーで現在設立手続き中のクランメンバーでもあるわ」
イケシルバーの隣に座っている大柄な女性アバターのプレイヤーが恭しく自己紹介をして来た。
やっぱり種族はジャイアントか。イケシルバーも身長は高い方ではあるんだが、それよりもかなり高い身長をしているんだよな。2メートルどころじゃないよな。2メーター20くらいはあるんじゃないか? そのくせジャイアントと言うには筋骨隆々な感じは無くて、普通の女性アバターを拡大しましたって感じの見た目なんだよな。まあ、頭とかはしっかり身長に合わせたサイズではあるんだが。
ついでにあれも相応にデカい。どことは言わないが。
「ついでに、中身は男じゃな」
「ちょっと、イケシルバー。それは言わないでよー」
「え? ああ、え? そ…そう。えーと、そっちは知っているかもしれないが俺はミヨだ。種族はドラゴンレイスだな」
マジかよ。俺と同じタイプ…ではないな。エティテプはデカいけどしっかり女性を演じているし、逆に俺は一切していないからな。
「と言うか、手続き中ってことは、クランを作る条件は満たせたのか」
「そうじゃよ。資金とギルドランクじゃな。特にギルドランクが難題じゃったの」
「あー、資金は課金すればどうにかなるにしても、ギルドランクは依頼を熟さないと上がらないからなぁ。俺なんて未だにGのままだし」
まあ、俺のギルドランクがGのままなのはダンジョン周回しまくっていたせいだけどな。依頼をあまり熟していないからギルドランクが上がらないんだよ。
「まあ、その辺りは人それぞれだからね」
「ふほほ。そうじゃのぅ。それで、その子のことなんじゃが」
「ああ、そうだなぁ。とりあえずシュラのステのスクショを渡すな」
「おお、助かるのぅ」
フレンドチャット経由でイケシルバーに今のシュラのステータスが記載されているSSを渡す。それをイケシルバーは確認し、その隣に居たエティテプも横から覗き込んでいる。
「え? 凄く強いのだけど」
シュラのステータスを確認したエティテプが驚いたようにそう言葉を漏らし、俺の隣に座っていたシュラを見る。
「…? です!」
そして何故か見られていることに気付いたシュラが自慢げに胸を張った。
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