第12話 プレイヤーが増えると効率が悪くなる

 

 街からさらに離れた場所までやって来た。エリアが変わったのか既に街の姿は見ることは出来なくなっている。

 周りを見渡しても街の近くのフィールドに比べてもプレイヤーの数は少ない。おそらくこの付近に居るプレイヤーは俺と同じように課金したか、もしくは廃人プレイヤーだろう。


 装備が良いからだろう、サクサクフィールドに居るモンスターを狩ることが出来ている。

 街の近くに出て来るモンスターが確か平均レベル2で、ここで出て来るモンスターの平均はおそらくレベル5なので、一回りくらい強さが違う感じだな。

 多分、課金しないで狩りを続けるにはちょっと効率が悪い程度の差ってところだろう。だから、効率よく経験値を稼ぎたい奴らはまだ街の近くで狩りをしているのだろう。


 ただ、俺も効率よく狩れているかと聞かれれば微妙なところだ。一応、モンスターは光魔術のライトボール1発で倒せるのだが、MPは無限ではない。課金で回したガチャでMPの回復量を微かに上げてくれるアクセサリーを手に入れたからといって、回復量よりも消費量の方が圧倒的に多いことに変わりはない。


 だから、継続的にモンスターを倒し続けることは出来ない。MPではなくSPを使う戦闘スキルを持っていれば可能だったかもしれないが、残念ながらレベル5の時に増えたスキル枠には既に鑑定のスキルが入ってしまっている。もう少し待ってから取得すればよかったと思うところはあるが、どの道必要なスキルだ。それに戦闘系とは違って戦っていれば勝手に上がっていくタイプのスキルではない鑑定スキルは、先に取得していた方が良いのも事実だろう。


 まあ、これを見越してMP初級ポーションは大量に買い込んで来たから問題はないと言えばないんだが。とりあえず、ポーションが尽きるまでは戦い続けよう。




 途中、MP初級ポーションを飲むための休憩を挟みながらも、数時間はぶっ続けでモンスターを倒し続けた。


 結果、レベルは2つ上がり、ドロップアイテムも大量に集まった。まあ、ドロップアイテムの内訳の大半はスライムジェル・ウサギの毛皮・鳥の羽・ネズミの皮が占めている。稀にスライムが魔石(極小)をドロップしたが、数としては10を少し超えるくらいしか手に入っていない。


 スキルも使った奴は軒並みLVが上がった。光魔術もLVが10を超えて別の技を覚えた。技名はライトショットで、簡単に言えば弾速の早いライトボール。威力はライトボールに比べて2割くらい低い。まあ、その代わり消費MPが4とライトボールの5よりも少ないのが特徴か。


 ただ、ライトショットだと微妙にモンスターのHPが残るんだよなぁ。特にスライムは他に出て来るモンスターに比べて防御が高いらしく、高確率でHPが2~3残る。

 レベルアップで獲得したSTPをINTに割り振り一撃で倒せるようになるとは思うが、別に蹴ったり杖で殴ったりしてもダメージを与えることは出来る。

 ただし、該当するスキルが無いせいで与ダメージが極端に少ない上にSPの消費が大きいけどな。まあ、モンスターの全てがスライムではないし、2~3程度のダメージを与えるだけなら問題は無んだが。


 ただ、手数が増えるという事は効率が下がるという事だ。だからライトショットを覚えても結局は初期から覚えているライトボールを使い続けた。


 それと、回復魔術のスキルを上げるために態と一殴りしたモンスターを放置してダメージを受けていたからなのか、竜体のスキルレベルも上がった。


 まあ、他のスキルも上がっているが、これまでの戦いの成果で大きい物はこのくらいか。



 でだ。何でここまで今までの成果を報告しているかなのだが、途中からLVが上がったからなのか周囲にプレイヤーが増えて来たんだよ。結果的にそれまでと同じペースでモンスターを倒すことが出来なくなった。

 だから、さらに奥に進んでモンスターを倒していたんだが、それで…んーあー…やめた。回りくどい言い方はしない。



 俺の目の前にダンジョンらしき洞窟があるんだが、これって入っても大丈夫なやつなのか?

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