第10話 フレンドチャット
イケシルバー:ではでは、ミヨさんの種族について教えて欲しいですぞ
ミヨ:種族名はドラゴンレイスだな
イケシルバー:ほう、やはりそうでしたか。属性は何ですかな
ミヨ:光属性だな
イケシルバー:なるほどのう。だから白に近い色合いじゃったのか。という事は、強制取得スキルの魔術は光魔術かの?
ミヨ:ああ、強制取得は光魔術と竜体だな。もしかして他にもドラゴンレイスのプレイヤーが居るのか?
イケシルバー:いますぞい。こちらで把握しているのは2人だけじゃがの。ああ、ミヨさんを入れて3人じゃな
ミヨ:ほう。属性は?
イケシルバー:火と風じゃな。それで種族の特性は確認しましたかな? その辺りも知りたいのじゃが
ミヨ:ごめん。その辺りはまだ確認していない。今から確認するわ
イケシルバー:ありがたいのう
種族特性はステータスボードの種族欄から見られたよな。
ドラゴンレイス(光)の特性は光属性の攻撃が強化されて、闇属性の攻撃に弱くなると。ダメージの変化量もしっかり書いてあるな。後は寒冷地みたいな寒いエリアでの行動の阻害やダメージか。って、俺は変温動物か! いやいや待て、FSOではドラゴンは爬虫類扱いなのか? それともドラゴンレイスだけがこの特性を持っているの?
腑に落ちない所はあるが、とりあえず種族特性はこんなものか。しかし、これを全部チャットに書き込むのは面倒だな。SSでも良いかね? いや、情報収集目的ならSSの方が良いんじゃないか?
ミヨ:確認した。ただ、これを書くのが面倒だからSSでいいか? あ、いや、ステータスボードを直接見せた方が早いか?
イケシルバー:他のプレイヤーのステータスボードは見ることが出来んのじゃ。すまんのじゃが、SSを頼んでもいいかの?
ミヨ:ああ、じゃあ送るわ
イケシルバー:助かるのぅ
ミヨ:SSは送ったが、見れるか?
イケシルバー:確認できたぞい。協力感謝じゃて
ミヨ:他に聞くことはあるか?
イケシルバー:他にはないぞい。じゃが、何か珍しいと思える情報があったら教えて欲しいところじゃな
珍しい情報なぁ。何かあったかだろうか。そう思いながら腕の中に居るシュラを見つめる。そう言えばシュラの情報も珍しいと言えば珍しいよな?
ミヨ:こいつは珍しいか?
イケシルバー:スライム? 珍しい…ああ、レアスライムですな
ミヨ:そうだな。だがその感じだと、そこまで珍しい訳ではないのか
イケシルバー:既に、というのとは少し違うのじゃが発見例はあるのぅ。しかし、ミヨさんは既に2匹目をテイムしたのですかな?
ミヨ:? いや、1匹目だが?
イケシルバー:どう言うことですかな? そのレアスライムは何処でテイムしたのかのぅ。あの位置に居たところからしてチュートリアルを完了して直ぐだったと思っていたのじゃが
ミヨ:テイムしたのはチュートリアルの平原だぞ。と言うか、これに関しては別にチャットで話す必要は無いのでは?
イケシルバー:ふほほ、確かにそうじゃの。しかし、チュートリアル平原にレアスライムが出るとは知らなかったのぅ。あそこに出るのはスライムとウサギのみだと思っておったのじゃが
やっぱりチャットで話す必要は無いよな。それにこんな近距離でチャット会話しているのって、周りから見たら変な2人組に見えるよな? しかも女性アバターとじじいアバターの2人組って何か怪しい感じがするし。
「もうこっちで話すがいいか」
「よいぞい」
「こいつはテイマーの職業チュートリアルの平原でテイムした。こいつを見つけたのはたまたまだな。少しでも強い個体をテイムしようと看破している最中に見つけたんだ。たぶんだけどあのフィールドに数匹しかいないんじゃないか?」
「なるほどのぉ。確かにチュートリアルフィールドを隈なく探すようなことは普通はせんわな。その所為で見つかることが無かったと。今後同じように見つけるプレイヤーは居るかもしれぬが、ちと検証が難しいのぉ」
まあそうだろうな。チュートリアルで行くフィールドはあくまでチュートリアルのために存在しているからな。普通は行くことは出来ないだろう。
「いやしかし、当分の間検証は出来ぬが、儂らが知らなかった情報だの」
「なら良かったよ」
「本当なら何か礼を渡すべきなのじゃが、残念ながら今は渡せるような物が何もないのじゃ。礼は次に会った時にでも大丈夫かの?」
「いや、別にそういうのはいらないんだが」
「他のプレイヤーとの兼ね合いと今後のことを考えると、それは受け入れづらいのぅ」
ああ、まあ、そうか。今後情報を扱うクランを作るとなると、情報の扱い方に一貫性が無いと問題があるわな。
「わかったよ。次に会った時に覚えていたらな」
「ふほほ、了解じゃて」
「それで、話は終わりで良いのか?」
「そうですな。他に聞くことも今のところ浮かばぬし、これ以上ミヨさんの時間を奪うのもよろしくはなかろうの」
「それじゃあ、俺はフィールドへ行くわ」
「ふほほ、改めてご協力感謝じゃ」
そうして俺はイケシルバーと別れ、ギルドの前の空間から離れてフィールドに向かった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます