第21話

中学校に到着したが、当時のことを知っている教職員はおらず、学校の中を少し歩いていた時、年配の用務員を見つけた。

「すみません、12、13年前もこちらの中学校で働いていましたか?」


「はい、ここの中学校で働いて20年以上になります。」


「それは良かった。12、13年前にいじめによって自殺したという生徒がいたと聞いたのですが、そちらの件について、ご存知ですか?」


神宮寺からの質問に用務員はバツの悪い表情を浮かべていた。その表情を見た神宮寺は、この用務員は何かを知っていると確信したのか、質問を続けた。


「用務員さん、こちらの卒業生である武田玲さんという女性が、先日自殺されたのはご存知ですか?」


「はい、風の噂で聞きました。」


「今、私は武田さんが自殺する原因となった事件について疑問を感じ、捜査をしています。彼女だけに限らず、同じような事件がここ最近、毎日のように立て続けに起きており、武田さんと同じく自殺を図る人たちが出てしまう可能性があります。私は何とかして、その連鎖を断ち切りたいと思っています。もしあなたが何かを知っているのであれば、どうか教えてもらえませんか?」


用務員さんは再び、何かを考えているのか、何かと葛藤しているのか目線を伏せた。


「お願いします。」


頭を下げている神宮寺の姿を見て、用務員さんは神宮寺の肩を掴みながら、

「頭を上げてください、刑事さん。分かりました、私が知っていることをお話しします。」

と言って、当時のことを話し始めた。

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