第19話

「武田のことで聞きたいこととは何でしょうか?」

同期で大学同級生の岩田は、初めて見る刑事を前に少し緊張している様子だった。


「お忙しい中、すみません。学生時代の武田さんって、どんなタイプの人でしたか?」


「大学時代ですか?同じ大学出身っていうだけで、私は武田さんとは接点がほぼ無かったので、特にお答えできるようなことはありません。」


「そうなんですね。では、大学時代の武田さんを知っている人をどなたかご存知ではありませんか?」


「同じサークルだった人を知っていますので、その人に連絡取ってみますね。」


「ありがとうございます。では、これ私の連絡先なので、連絡が取れたらこちらまでご連絡お願いします。」


「分かりました。」


岩田さんからその日の夜、明日の昼に会える段取りまで取り付けたと連絡が入った。


翌日、指定されたカフェに行くと、岩田さんから紹介された女性が座っていたので、神宮寺が声を掛けた。

「吉田さんでしょうか?」


「はい、神宮寺さんでしょうか?」


「はい、今日はお忙しい中、お時間取っていただきありがとうございます。」


「いえ、玲ちゃんのことで調べていると聞いたので、私に協力できることがあれば何でも協力したいと思っていますので。」


「武田さんのことを玲ちゃんと呼ばれているんですね。」


「はい、大学時代はずっと一緒にいたので。かなり仲は良かったと思っています。」


「大学時代の武田さんは、人から恨まれるようなタイプの人でしたか?」


「うーん、どうだろう。玲ちゃんのことを恨んでいるって人はいなかったかもしれないですけど、好き嫌いは分かれるタイプだったとは思います。」


「揉め事とかは?」


「大学時代は無かったですが、中学生時代には結構やんちゃしていたっていう事を聞いたことがあります。」

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