第18話
「この前、自殺した武田さんを恨んでいる人っていましたか?」
神宮寺は武田さんが働いていた会社の上司や同僚に聞き込みを行なっていた。
「うーん、どうですかね。会社の中では武田さんの悪い評判を聞いたこともないですし、私には心当たりはありませんね。君はどう?」
「私もないですね。」
お互いに顔を見合わせたが、本当に心当たりがないように見えた。
「そうですか。ちなみに、彼女は酒癖が悪いとか、そういった評判はありますか?」
「酒癖ですか?確か、彼女は会社の飲み会に参加していた時、そんなにお酒を飲んでいなかったように思います。」
「私はたまに仕事終わりに一緒に飲み行ったことありますが、彼女はかなりお酒が強いって言ってましたね。実際、本当にかなりの量を飲んで帰ったことありましたが、その時も全然普通でしたし、翌日も二日酔いもなく出勤していたし。」
「なるほど。じゃあ、武田さんが酔いつぶれるといったことは、ありえないと思いますか?」
神宮寺は同僚に問いかけた。
「そうですね。少なくとも、私が知る武田さんはよほど変な飲み方をするか、薬を盛られたとかない限りは酔いつぶれるってことは絶対にないと思いますよ。」
「分かりました。ちなみに、武田さんの学生時代について知っていることってありますか?」
「学生時代ですか?確か、同期に彼女と同じ大学出身の子がいなかったっけ?」
「はい、岩田くんがいますね。呼んできた方が良いですか?」
「お願いしても良いですか?」
神宮寺からお願いされた同僚は岩田を呼びに会議室を後にした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます