第7話
翌日の朝、再び警察無線に一本の連絡が入った。
「山上公園に裸で寝ている男性がいるとの通報あり。付近の警官が至急、現場に急行してください。」
「田中先輩、なんか昨日も全裸で寝ている人がいるって通報ありませんでしたっけ?」
「あー、あったな。昨日は女性で今日は男性って。いくら夏で開放的になりやすい季節だからって、こう毎日毎日出てこられると面倒だな。」
「後先考えずに、行動できる人たちの頭の中を一度見てみたいですよ。」
「見たところで、真面目が取り柄の太田くんには理解できないと思うよ。ほら、現場行くぞ。」
「はい。」
田中と太田が現場に駆けつけると、朝7時を回っていたこともあり、多少の人だかりができてしまっていた。
「すみません、通してください。」
人垣をかき分けて寝ている男性の元に駆け寄ると、今回は大事なところを空に向けてぐっすりと寝ている男性が見えた。
「おい、太田。とりあえず毛布かけるぞ。」
田中と太田は、持って来ていた毛布を男性にかけ、田中は男性に声を掛け起こす役に、太田は野次馬の中に通報者がいないかを確認して回った。
しかし、野次馬の中に通報者は昨日と同じく見つからなかった。
「おい、太田、とりあえず男性を交番に運ぶぞ。この人も昨日と同じで全く起きそうにないから。」
交番への帰り道、パトカーの中で田中は昨日から続く全裸事件に関して、嫌な予感を感じていた。
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