第6話
田中と新田は、戻って来た武田を再び椅子に座らせた。
「ご協力ありがとうございました。もし尿検査の結果で睡眠薬など薬物反応が出なかった場合は、事件性なしとして警察は判断することになります。そうなった場合、今度は武田さんが全裸で公園という公共の場で寝ていたことが、『公然わいせつ罪』に該当し、あなたを検察に送検することも可能性としてあります。」
「え?私、逮捕される可能性があるってことですか?」
「そうですね。酔っ払っていたからといって全裸で公共の場で寝てもいいってことはありませんからね。女性だろうが男性だろうが、公然わいせつは適用されますから。」
「私、どれくらいの時間を全裸で寝ていたんですかね?」
「それは捜査してみないと分かりません。まぁ、先ほどのお話から想定して4時間以上は公園で寝ていた可能性はありますね。」
「じゃあ、その4時間の間に私の裸を誰かに写真撮られているってこともありますよね?」
「そうですね。」
「その写真を撮った人に、バッグとか持ち逃げされている可能性もありますよね?」
「そうですね。」
「裸写真と個人情報の両方を一緒にネットで公開されたりでもしたら、私もう生きていけません。」
「ネットに公開されてしまった場合、被害届を出していただければ我々が動くこともできますが、それでも公開されてしまった情報を全て回収することは出来ないと思います。出来る限りのことは全て対応しますが、悪意ある人に拾われたり、会っていないことを願うしかありません。」
「分かりました。」
武田は今更ながら、自分の置かれている現状がとんでもない状況になっていることを認識し、顔から血の気が引いていくのが分かった。
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