第5話
女性に衝撃の事実を伝えた時、ドアがノックされた。
「新田、大丈夫か?」
田中さんからの問いかけに新田は、『はい』と返答した。
田中さんはドアを開けると、女性に向かって、
「今からあなたに色々とお聞きしたいことがありますので、こちらに来てもらえますか?」
女性は新田に付き添われながら、部屋から出て、交番の入り口付近にある田中さんの机の前に座った。
「とりあえず、あなたのお名前と生年月日、住所、職業を教えてもらえますか?」
「名前は、
「武田さんですね。今日、なんで公園で寝てたのか理由を覚えていますか?」
「それが全く覚えてないんです。」
「昨日の記憶はありますか?」
「はい。」
「思い出せる範囲で構いませんので、教えていただいても宜しいでしょうか?」
「分かりました。えっと、昨日は仕事終わったあと、いつも通っている料理教室に行ったあと、友人とご飯に行きました。その後、そのお店で知り合った男性たちと一緒に飲みに行ったまでは覚えているんですが。そのお店で何杯か飲んでたんですが、その後のことが思い出せなくて。」
「なるほど。その男性たちとは初対面だったんですか?」
「はい、初対面です。」
「その男性たちとは、武田さんだけでなく、友人の方も一緒に飲みに行かれたんですか?」
「はい、行きました。」
「ちなみに、武田さんはお酒は強い方ですか?」
「弱くはないです。」
「じゃあ、男性たちと飲みに行った店で飲んだお酒に薬を盛られているといった可能性はありますか?」
「うーん、ちょっと分からないです。」
「薬物検査のため、尿検査にご協力いただくことは可能ですか?」
「はい、分かりました。」
田中は新田に目配せすると、武田を洗面所へと案内した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます