第3話

女性が目を覚ましたのは、保護してから12時間が経過した午後5時過ぎだった。

「あれ?ここどこ?」


「おはようございます。ここは交番です。とりあえず、こちらの洋服を着ていただけませんか?」


寝ぼけた様子で立ち上がろうとした女性を新田婦警が制止し、洋服を差し出した。


「え?あなたは?っていうか交番って?洋服着てってどういうこと?」

女性は自分が置かれている状況がまだ分かっていないようだった。


「落ち着いてください。とりあえず、こちらの洋服を着てください。」

新田は女性を落ち着かせるため、優しい口調で語りかけながら、ジェスチャーで下を見るように女性に指示した。


女性は新田の指示に従って下を見るなり、大きな叫び声をあげながらその場に座り込んだ。


「え?なんで私、裸なの?」


「それは我々も聞きたいのですが、まずは服を着ましょう。」


新田が再度、洋服を差し出すと、新田の手から勢いよく服を奪い取り、女性は急いで服を着た。

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