第2話
「こんな酔っ払うほど飲むって、最近の若い連中は何を考えているんだか。」
酔っ払い女性を交番の奥に運び終えたあと、先輩の男性警官の田中さんは大きくため息をついた。女性の見た目は24、25歳くらいで、化粧の感じではそこまで遊んでいるタイプには見えなかった。
彼女の身元を確認しようにもバッグなどは寝ていた付近には落ちていなかったため、彼女が起きるまでは何もできない状態だった。
「田中さん、どうしますかね?この方に関する情報が何一つ分からないんですが。」
「とりあえず、この人が起きるまでは放っておくしかないだろ。新田、悪いが勤務時間終了しても、この人が起きるまでは交番にいてもらっても良いかな?新田がいなくなっちゃうと、今日は俺含め男性警官だけになってしまうからさ。」
「分かりました。全裸で毛布一枚で横になっている状態で目覚ましたとき、見知らぬ場所で見知らぬ男性しかいなかったら恐怖でしかないですからね。先輩たちが面倒に巻き込まれるのも見てられないですしね。」
「助かるよ。新田も昨日からずっと勤務で疲れているだろうから、勤務時間が終わったら、奥で休んでて良いからな。」
「ありがとうございます。まぁ、私の勤務時間中に起きてもらえることを願うしかないですね。」
新田婦警の願いも虚しく、女性は昼過ぎても起きる気配がなかった。
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